「殿、ご乱心」、暴走を始めた権力者は手に負えず、国民と周辺国に災いをもたらす。李明博・韓国大統領のことである。天下の朝日が「天声人語」で取り上げている。
終戦記念日の昨日、韓国人タレントらが韓国沿岸からリレーで竹島まで泳いで竹島が韓国領土であることをアピールした。ところが、有名俳優と称する彼らは、外洋を泳いだのではなく、船が曳航する生簀の中で泳いでいたという漫画的行為が韓国メディアによって明らかにされ、その俳優らも疲労困憊でヘリにより病院へ搬送されたというおまけまでついた。
韓国国民が本心ではどう思っているか分からないが、どう常識的に考えても大統領の昨日の発言は愚かであることは明白である。普通の思考力のある人なら、いかに馬鹿げた大統領の愚行かはすぐ分かる。早くも件のスィマーが出演したドラマが日本の民放テレビ番組で放映取りやめとなった。日韓両国で自己主張ばかりやっていては、とても事態の沈静化とか、解決は覚束ない。少し頭を冷やす必要がある。それにしても個人もそうだが、国もすぐ「キレル」ようになった。
昨日は他にも、同じような対外的な事件があった。もうひとつの領土問題である尖閣諸島・魚釣島へ香港民間団体の船舶が上陸したのだ。島内で待ち構えていた日本の警察によって、5人が逮捕され、また沖合いで見守っていた船舶から9人が逮捕され、今日那覇港へ連行された。今までは中国側官憲が出航しそうになると抑えていたが、今回は看過している。上陸した香港船への日本側の対応を見定めているようだ。中国国内では大都市を中心に、反日デモが起きている。この辺りが実際には中国政府にとっても悩ましいところで、下手をするとこの反日デモが反政府デモへ変わりうるのだ。中国政府の対処方も哲学や理念があるとは思えない。中国国民の動き次第で、国のスタンスも変わる。
ともかく日本自体の毅然とした外交を今後どう確立し、各国に対応していくのか。これから人材を育成していくのでは遅すぎる。政治家がダメ、外務官僚がダメでは手の打ちようがない。これから当分、対中、対韓、さらに対ロ外交のような近隣外交に悩まされそうだ。決して逃げるわけにはいかないからだ。