1931.2012年8月26日(日) 国民が知らぬ間に、外国軍隊に支援事業

 鬼の居ぬ間にこっそりやってしまうということはありがちだが、これだけ情報網が発達している現代社会において、国民の知らぬ間に国の予算を使って外国の軍隊を対象に、地雷除去や医療活動など非戦闘分野の技術支援という口実を借りて防衛省の裁量で支援を始めたとは、一国民として極めて心外である。国民のひとりとして、防衛大臣に問責決議案を提出したいところである。いずれ言い訳を並べながら要求をエスカレートさせ、武器の支援にまで手を染めることは想像に難くない。しかも、こんな重要なことが国会でもまったく議論されていない。どうしてこういう強引なことが秘密裏にできるのか。国民への裏切りではないか。

 外務省主管の政府の発展途上国援助(ODA)は外国軍隊への支援が禁止されている。ところが、防衛省の支援はこのODAの枠外で制約を受けない。この点が姑息である。この辺りに抜け道がある。この支援は「能力構築支援事業」と称される防衛省の活動事業だそうである。こんな事業が存在することすら知らなかったが、一昨年の防衛大綱で「アジア太平洋地域の安定保障環境の安定化」を目的に盛られたらしい。文言だけ見てもその意図するところがよく分からない。これを今年度予算に1億6千万円も計上しているが、来年度には2億円を超える予算を要求するようだ。この苦しい国家財政の折に随分気軽に大判振る舞いをするものである。金銭感覚に乏しい防衛省が始めれば、予算が10億円を突破するのは時間の問題だろう。防衛省は国民の血税を黙って使うことに些かのためらいもなく、特別立法もなしに防衛省設置法に則り、安易に多額の資金を要する事業を実行してしまうのだ。

 しかし、あまりにも好い加減で卑怯ではないか。税金を投入する以上その意義と効果について、国民にきちんと説明する義務があるのではないだろうか。防衛省の都合だけで、外国の軍隊におねだりされたからといって、防衛省関連法でいとも簡単に財布の紐を緩めて大金を放出するのはいかがなものか。明らかに国民を出し抜いている。これを許している国会議員は、本来国の番人ではないか。それなのに何の行動もせずに知らんぷりである。いまに始まったことではないが、まったく役立たずだ。加えて、この件については、毎度スキャンダルとあらば蜂の巣をつついて騒ぐマス・メディアが、一向に問題視しないのが不思議である。メディアはこの問題に関して国会議員とつるんでいるのではないか。

 ならば、一般国民は、国費の無駄遣いや憲法違反すれすれの事案を見つけたら、一体どこへ訴え、これらを止めさせることができるのだろうか。

2012年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com