現在日本企業の不況ぶりは国際的にも目につく。亀山モデルというブランドでも知られた大型液晶テレビを生産しているシャープが3000億円近い大赤字を出して、会社存亡の危機に追い込まれ、やむを得ず台湾企業から資金援助を受けて再生を期することになった。かつて、三重県立亀山高校生が韓国修学旅行に出かける前に海外滞在の心構えを話す講演に招かれ、JR亀山駅からタクシーで学校へ向かっていた途中で、ドライバーから「お客さん、(シャープ)亀山工場でしたね」と尋ねられ、高校と工場を聞き間違えるほどシャープ亀山工場への見学者が多く、当時は景気が良かったことがまざまざと思い出される。
その他にも来月合併する新日鉄と住友金属が大きな赤字を出した。新日鉄は1550億円の赤字を計上して赤字会社へ転落した。住金は予想以上の赤字となり、1280億円の赤字である。かつて「鉄は国家なり」とまで豪語していた製鉄会社も、まったく昔日の面影はない。
この不景気風をどうやって吹き飛ばし、かつての活気ある経済力を取り戻すのか。海外との貿易額が拡大している今日、限度を超えるような円高は確かに痛い。韓国が上り調子で、電機、自動車メーカーが大きく伸びているのも、ウォン安が輸出に大きく貢献しているからである。このウォン安に比べると円高はいかにもきつい。従って、いつ外為相場が、日本に有利に転換するのかが気になるところだ。経済界はそれなりに力を尽くしているが、神風が吹いてくれない。
一方で、参議院で問責決議を可決した国会は空転している。昨日も自民党谷垣総裁は北海道へ遊説に出かけている有様である。他の国会議員らも国会へは登院していない。明らかに高額の給料をもらいながら、本来の職責、国会活動をサボっているのだ。これでは国民、誰ひとりとして黙っているわけにはいくまい。