1938.2012年9月2日(日) 国家と国民のことを考えない天下り役人と政治家

 今朝の朝日新聞第1面に原発使用済み核燃料の最終処分場について詳述されている。漸く最終処分場の土地が見つかったのかと思いきや、それどころかその場所探しのために12年間を費やし、487億円も費やしていたことが明かされたのだ。そのうえ肝心の処分場はいまだ決まらず、処分計画は宙に浮いたままだという。どうして誰が考えても不思議で実行されないことが、お役人の手にかかると罷り通ってしまうのか。またしてもお役人の怠慢と無駄使いが堂々と行われていたことが分かった。

 最近の官民の世論調査の動向を見ていても、今後の日本のエネルギー計画の前途に「脱原発」が大きく浮上してきたことが分かる。もし、実際にこの路線を進めれば、できるだけ早く最終処分場の手当てが必要となる。ところが、それがまったく決まらないというのだ。

 経産省では12年前に最終処分するための組織「原子力発電環境整備機構」(NUMO)なるものを設立し、最終処分場の候補地探しから建設、運用までを行い機能させていた筈だった。だが、未だにその建設場所すら決定できずに、金喰い虫の無能組織として時間ばかりが経過しただけだった。経産省から天下った役人に対しても2人で年間4千万円超という多額の給与を支払ってきた。脱原発にせよ、原発容認にせよ、なぜこれほどの無駄使いを12年間も許していたのだろうか。彼ら役人も自分が務める組織が機能していないことを承知しながらも、いただけるものは黙っていただくという図々しい役人根性によって、普通の電気利用者はろくでもない天下りOBに電気料金を支払わされていたのだ。実に馬鹿げてる。

 今月中に民主党代表と自民党総裁を選出する選挙が行われる。公職選挙法に基づく選挙ではないにせよ、どちらかの党代表選で選ばれた人物が確実に次の日本のリーダーになる。

 しかし、今や空転する通常国会の最中に、候補者と目される人物や担ぎ上げる同輩らが国民の批判に何ら臆することなく、堂々と目につく形で暗躍している。民主党内では現代表の野田首相に対抗する議員らが擁立候補を囲んで会合を開いている有様である。一方の自民党内も似たり寄ったりで、自薦他薦が入り乱れ、谷垣現総裁のほかにも、石原・現幹事長、石破・前政調会長、町村・元官房長官、林芳正・政調会長代理らに加えて、何と安倍晋三・元首相までが意欲満々に登場してきた。下手をすると推薦人の奪い合いで現職の谷垣総裁が立候補できない可能性も取り沙汰されている。こうなると民主、自民ともに火事場騒ぎとなって国家、国民のことなぞとても目が届かない。

 それにしても首相まで務めた安倍チャンも、この期に及んでよくも火事場を引っ掻き回す役回りをする気になったものである。駄々っ子坊やのようにオモチャを宛がってやらないとダダをこね、小泉純一郎・元首相のように静かに身を退くということができない人なのだろう。

 政治を行わない政治家の陣取り合戦によって、日本を国際的に影響力のない世界の孤児へ追いやることが許されるのだろうか。いかに怠け者の政治家でも少しは魂を持ってもらいたいものである。

2012年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com