1942.2012年9月6日(木) 日本の国際競争力は10位

 日本の国際的な競争力が弱まったとはかねがね考えていたが、実際に世界経済フォーラムが「2012年版世界競争力報告」でその統計的裏づけを発表した。それによると昨年9位だった日本は10位にダウンし、代りに香港が11位から9位へ上がってきた。1位は前年と同じスイスがランクを占めている。アジアでは2位のシンガポールに続いて9位香港、10位日本となった。日本は2年連続して順位を落としたが、その最大の原因は、財政赤字と電力供給が不安定なことだという。労働市場の効率性の低さも懸念材料と見られている。このままの状態だと、原発再稼動の見通しは極めて厳しい状態だし、来年度も順位を落とす可能性が高い。ざっと見てみると北欧、中欧、アメリカが上位を占め、南欧とオーストラリア、ニュージーランド、中国、インド、ブラジルなどがランクインしていないのが、何となく分かるような気がする。

 日本の政府債務残高の国内総生産(GDP)比は、144カ国・地域で最下位だったという嘘のような話がある。それだけ財務残高が増えていることがマイナス評価されているということだ。近年国の借金が増えていることが大きく取りざたされているにも関わらず、政治家と財務省は積極的な解消策を打ち出さず、年々借金は増え続けている。少しは、借金解消のための建設的な提言をすべきであるにも関わらず、腰を上げようとしない。政治家と役人は最早国家のことは念頭にないかの如くであり救いようがないが、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムは、政治家と役人が関与しない日本の民間企業の技術革新力や顧客優先度などには引き続き高い評価を与えてくれている。やはり国を劣化させている責任は政治家にある。

 今日アメリカでは11月の大統領選へ向けて開かれた民主党全国大会で、大統領候補にオバマ現大統領を正式に決定した。これで先に決まっていた共和党のロムニー候補と一騎打ちとなった。そのオバマ大統領のスピーチを聞いていると何と淀みのない喋り方だろうか。ほとんど下原稿を見ずにジェスチャーを交えてリスナーに訴えている。これだからカリスマ性も生まれ、聴衆が気持ちを受けて支援するのだろう。もちろん駆け引きもあるのだろうが、こと演説を聴いている限りでは日本の政治家はとても敵わない。

 今夕の朝日紙「素粒子」欄に「米大統領選を見るたびに考え込む。候補者の弁舌に熱狂する聴衆ら。そんな演説を一度聞いてみたい。日本語で」とある。

 そのわが国では、今日も党のトップを決める党代表選と総裁選を半月後に控えた、民主党と自民党の選挙活動は立候補者が入り乱れ、誰が選ばれるか見当もつかない。国会会期中であるにも拘らず、休会という閉塞状況に、これには流石に経済界と労働界の代表者から今日記者会見で、行き詰まって政治が前へ進まない現状に鑑み、国会の運営方法を検討すべきであると提言があった。もう誰も彼もが今の政治のあり方にうんざりし失望し、何とか打開してもらいたいと望んでいるのだ。

2012年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com