千葉の「いきいき大学」の依頼により2時間ほど千葉市民会館で講義を行った。「世界遺産の楽しみ方」と題した得意のテーマである。最近訪れたペトラ遺跡、ベツレヘムの聖誕教会を中心に、私の好きな文化遺産と自然遺産、そして「新・世界7不思議」についても紹介した。受講者は約150名で平均75歳というから、主催者の苦労が分かる。
何とか受講者に楽しんでもらえる画像をと考えながら昨日まで費やして作成したパワーポイント用スライドは、75枚となった。音声を出す工夫こそしていないが、画像の映写には大分凝って数々のテクニックを加えた。幸い受講者の受けはまずまずだったのではないかと思う。講義後幹部の方々に食事をご馳走になったが、その席上で来年11月の講義の申し入れをいただいた。
少々残念だったのは、ほんの1週間前に千葉市内に住む幕張小学校時代の同級生に連絡したところ、わざわざ来てくれて講義後に食事を誘われたが、断わらざるを得なかったことである。
さて、民主党代表と自民党総裁選挙を前に両党とも候補者が乱立気味だったところ、自民党ではフロントランナーだと思っていた谷垣禎一・現総裁が立候補を見送るとの意向を表明した。谷垣氏は石原伸晃・幹事長とともに執行部から2人出るのは好ましくないと述べたが、最近党内で確実に求心力が低下していた。結局のところ石原幹事長との一本化交渉がまとまらず、この状態が続けば自民党のイメージダウンにつながると判断したとされている。本音は出身派閥のボスから支援するとの確約をもらえず、協力を求めた石原幹事長からも色よい返事を得られず、現状では仮に立ったにしても総裁に選任される可能性が低いと判断し、苦渋の決断をしたものと思われる。
この結果、石原幹事長、石破茂・前政調会長、町村信孝・元官房長官、安倍晋三・元首相、林芳正・政調会長代理が総裁の座を争うことになった。誰が選ばれても代わり映えしないと思えるが、安倍元首相の「私にはまだやり残したことがある」の発言には呆れた。自ら政権を放り出しておいて、今頃になってやり残したことがあるので、やらせて欲しいはないだろう。
民主党は野田佳彦首相、赤松広隆・元農水相、原口一博・元総務相、鹿野道彦・前農水相の間で争われることになり、共同して記者会見を行った。野田首相の実績には、党を分裂させた責任ありとする他の3人の言い分を聞いていると、その責任をすべて首相に課したような発言をしていたが、3人の主張の方がよほど説得力に欠ける。いずれにせよ、今のところ野田首相の優位は動かないだろう。
ところで、沖縄普天間基地に配備が予定されている新型輸送機オスプレイが、またまたアメリカで緊急着陸して、安全性に疑問を呈する事態が起きた。そして昨日沖縄県民大会で10万余人が参加してオスプレイ配備計画の撤回と、普天間基地の閉鎖と撤去を求める決議を採択した。沖縄では一気にオスプレイ配備反対の声が盛り返してきた。これも野田政権にとっては難しい問題であろう。今日前原誠司・政調会長がこれらの問題を協議するためアメリカへ向かった。この行く末はどうなるのだろう。
わが国にとっては、内外ともに難題だらけである。
先ほどビッグニュースが入ってきた。とても誇れるようなニュースではない。現職大臣が自殺したという驚くべきニュースである。国民新党の松下忠洋郵政改革・金融担当大臣が今夕自宅マンションで首を吊って自ら命を絶ったというのである。5年ほど前に松岡利勝・農水相が自殺して以来の現職大臣の不祥事である。それにしても最近どうもぱっとしないニュースが多すぎる。