1948.2012年9月12日(水) 日本の教育予算はOECD34加盟国中最下位

 経済協力開発機構(OECD)が加盟34カ国の教育状況調査結果として、2009年の日本の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合が3.6%で3年連続最下位であることを発表した。因みにトップはデンマークで、以下アイスランド、スウェーデン、ベルギー、フィンランドとこの種のアイテムで予想されるように北欧、中欧が上位を占めている。

 絶対額で教育予算が少ないということではないので、これがそのまま教育に不熱心な国ということにはならないと思うが、教育の充実が科学の進歩につながり、それが国家経済を大きく支えているという見地から考えるとちょっと複雑でありショックでもある。しかも、過去3年に亘って最下位だったということは、下手をすると将来に禍根を残すような事態を惹起しなければ良いがと願ってしまう。

 項目別に意外だったのは、日本の小中高教員の初任給(25,454$)がOECD平均(小28,523$、中29,801$、高30,899$)を下回ることである。だが、これは円高という特殊な事情にもよるので、一種の歪んだ算出数値でもあり、必ずしも実態を伝えているわけではない。現状の為替レートで換算してみれば分かることだが、日本の教員の給料がこんなに低かろう筈がない。

 全体的に教育の公的支出割合が低いというのは、日本では医療や社会福祉を主とする厚生労働省の予算が大きいことから相対的に文科省予算が少なく見えるということも云えるのではないだろうか。

 だが、教育に関して言えば、いくら投資をしようが、将来にそれなりの実質的な効果が伴わないのではもったいない。ここでは政府の予算から推察した数値を問題にしているが、「教育」ということなら、学校教育以外に投資される巨大な関連経費がある。特に日本ではこの数値が馬鹿にならない。その最たるものは予備校や塾に使われる費用である。わが国の教育投資予算の中には、もちろん塾関連経費が含まれていない。

 実質的な教育効果とともに、経費はかけなくとも将来子どもにとって有益な効果が表れる全人的な教育について、考えてみる必要がある。例えば、これまで多くの国に派遣された文科省教員海外派遣団に同行して気付いたのは、アメリカの初等教育の現場では、教師が学校で子どもたちに教えること自体が好きであるというより、むしろ子どもが大好きな教師が結果的に教職に就いているという印象を強く持った。こういう点は数値には当然表れない。そしてこの点こそが、教育の原点であると思う。

 そもそも教育を数値で表すということ自体がおかしいのではないかと思っている。

 さて、今日自民党総裁選へ噂に上がっていた元首相の安倍晋三氏がやはり立候補を表明した。心身ともに健康なのでやり残したことをやりたいと述べていたが、この期に及んで恥の上塗りをやりかねない御仁の再登場である。身はともかく心がおかしい。いつまで経っても空気が読めない甘いお坊ちゃんである。まずダメだろう。

2012年9月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com