7003.2026年7月16日(木) 財産はひとりで稼げるものではない。

 先月22日の朝日「天声人語」欄に興味深い話が載っていた。かのアメリカ人実業家イーロン・マスク氏の世界一の資産に関する信じられないような実話である。世界一の資産とは、日本円にして何と「176」の後に「0」が12も付く、ざっと176兆円にもなるという。176兆円といえば、世界最大の国家予算を計上しているアメリカの年間予算に匹敵する金額であり、日本の年間国家予算である約122億円を大幅に上回る。マスク氏は「億万長者」どころか、「兆万長者」であり、「毎日約100万ドル(1.6億円)使っても、使い切るのに3千年以上かかる」と言われ、これでは縄文時代から毎日1.6億円使わなければ使い切れない計算になるという。驚くような大金である。アメリカでは、上位1%の富裕層がアメリカ全体の3割以上の富を握っており、富裕層と他の国民の資産の極端な差は構造的な不平等を感じさせるというのが筆者の見解である。

 それにしても新興のIT産業で成功し、あっという間に大富豪にのし上るような夢物語は地道にコツコツと仕事に勤しんでいる労働者には、想像もつかないことである。生真面目に働いて勝ち得た給与には有難みを感じるが、あまり肉体を使うことなく帳簿上に多額の資金が増えていくのを見て労働の尊さなんて分かるものだろうか。マスク氏は、一時トランプ大統領にも気に入られ、政府内に居座ったこともある。まったく努力をしなかったわけではなく、また濡れ手に泡で手にしたお金ではなく、並外れた才覚や努力は認められるべきだという声がある一方、オランダの経済学者イングリッド・ロベインス氏が「財産上限主義」とも言える、富にリミットを設ける大胆な考えを提唱している。

 それは富を手にするにしても、他の存在なくして経済活動はあり得ないというものである。経済活動は、公共在、科学技術、インフラ、社会制度などがなければあり得ない。サッカーでゴールしても必ずしも1人の手柄ではないのと同じだという。ロベインス氏は上限の目安を16億円にするという。それを超過した富は、医療や貧困対策などに再配分すればよいとの考えである。まぁマスク氏から猛反発があることは間違いないだろう。

 ロベインス氏の考えは実現は難しいだろうが、中々ユニークで納得させられる点もある。

 さて、サッカーW杯も終盤になり、今朝未明に行われた準決勝の第2戦で前回優勝のアルゼンチンがイングランドに2-1で逆転勝ちし、20日の決勝戦でフランスを破ったスペインと対戦することになった。準決勝4チームの世界ランクは1~4位までであることを考えると、FIFAのランク決定はかなり最近の実力を正確に捉えている。

 ついては、来年FIFA会長選が行われるが、インファンティーノ会長が3選目を期して立候補の意思を表しているが、トランプ大統領にFIFA平和賞を贈呈したり、先日のW杯アメリカ戦でアメリカ人選手の退場、次戦欠場処分についてトランプ大統領の要求を受け入れ、同選手の次戦出場を認めたり、主催者らしからぬ不法な対応に対して各国から強い批判が出ている。実際ドイツ・サッカー連盟が再選を支持しないと書簡への署名を拒否した。さて、どういう結果になるだろうか。

2026年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com