7004.2026年7月17日(金) W杯で想い出すフォークランド紛争

 今世界中で熱狂的な話題となり注目されているサッカーW杯の準決勝、アルゼンチン対イングランド戦が一昨日行われ、アルゼンチンが2-1で逆転勝ちして20日の頂上決戦でスペインと対決することになった。

 朝刊スポーツ欄の片隅に写真入りで小さな記事が載っていた。それはアルゼンチンの南極に近い海上に浮かぶ小さなフォークランド諸島を巡る領有権に関する話題である。イギリスが19世紀にスペイン領アルゼンチンから強引に奪い取ったが、1982年3月アルゼンチン軍がこれを取り戻すために上陸して紛争となり、同年4月両国軍の戦闘が始まり、6月にイギリスが勝利宣言して紛争は一応収まった。この当時やや支持率が低迷していたサッチャー首相は、この戦争で人気を取り戻した反面、アルゼンチンのガルチェリ大統領は失脚した。

 偶然にも44年前のこの戦争の真っ最中に、文部省の教員海外研修団に同行して、マンチェスター市に滞在していた。テレビでは連日両国間の戦闘が伝えられ、息子を戦争で喪った母親が涙交じりに悲しみをぶつけていたことを今でもよく覚えている。

 しかし、今以ってフォークランド紛争のしこりは残ったままである。実は、アルゼンチンはイギリスにサッカーでは勝った。だが、試合後アルゼンチン選手が、「マルビナス(フォークランド諸島のひとつ)はアルゼンチンのものだ」と書かれた横断幕を掲げた。現時点ではFIFAはアルゼンチンに対して特別の処分を課してはいないが、アルゼンチンは過去のW杯でも同じような行動をして、その際罰金が課せられた。恐らく大会終了後にアルゼンチンに対して何らかの処分が行われるであろう。

 この問題は根が深い。1833年以降島民にイギリス系の人たちが多いギリスが島の領有権を主張していた。2013年に実施された住民投票は、イギリスの海外領土として留まることを、99.8%もの圧倒的多数の住民が望んだ。こういうイギリス領土に至ったこの事情では、中々アルゼンチンの近くの島であってもその領土権を収めるのは至難である。その辺の事情をあまり配慮せず、かつてのフォークランド紛争を知らない世代の選手たちが、領有権をアピールしても思い通りには解決しないと思う。

 戦後旧ソ連が残酷にも日本人をすべて国外追放して自国領土化した樺太をサハリンとしてソ連領としたのとは、大分事情が異なる。しかし、戦争自体と戦争による略奪行為や残虐行為などは、後世に至るまで心に傷を負わせるような未解決の問題として後世の人々にとって癒しがたい問題を残すことになる。改めてW杯から難しい問題を教えられたように思う。

 さて、このところ天候の変化が甚だしく、今年の夏の天候は些か異常ではないかと思っている。今日は予報通り午前中から激しい降雨があり、そこへ雷鳴も轟いた。気象庁の発表によれば、今年は地球温暖化の影響により、平年を上回る極端な猛暑と記録的な大雨の頻発が顕著になるという。これは国内ばかりでなく、欧米でもフランスやドイツ、スペインなどでは40℃前後の高温に国民も我慢できそうになく異常な現象が起きている。住みにくい世の中になったものである。

2026年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com