N.Y. 9.11テロ発生11年目の日時に合わせるかのように、9月11日イスラム諸国で反米的な行動が行われ、リビアのベンガジ米領事館をイスラム教徒が集団となって襲い、スティーブンス大使ほか3人のアメリカ人外交官を殺害した。ことはリビアだけに留まらず、エジプトとチュニジア、イェーメンの米大使館でも危害を加えられた。
原因はユダヤ系アメリカ人が製作した、イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜したとされるフィルムが、‘You Tube’を通して世界中に流布されイスラム教徒の怒りを買ったことによるものだ。アメリカ政府もフィルム製作それ自体には遺憾の気持ちを抱きながらも、自国の領事館を襲撃されたことを厳しく非難している。
明日それらの国々ではイスラム教祝祭日に当たり、反米デモが一層拡大することが心配されている。この動きと背景はイスラム圏内だけに留まらず、先日丹羽宇一郎駐中国大使が北京市内を公用車で移動中に中国人が運転する2台の高級外車に襲われ、国旗を分捕られた事件も同根のものである。
さて、今日はどこのテレビ局でも自民党総裁選の候補者に対する記者会見を放映している。立候補者5人が勢揃いしたが、今ひとつ喰い足りない。それぞれの主張を部分的にしか聞いていないが、私には石原幹事長、石破前政調会長、林政調会長代理の考えが、安倍元首相と町村元官房長官に比べるとマシかなぁと感じた程度である。自民党の幹部連は、これまで野党だったせいか原発問題に関して真剣さが足りず、少々原発に疎い気がした。仮に自民党が天下を取ったら、原発政策には信頼が置けない気がした。
その原発政策について、今日の政府閣僚会議で2030年代に原発ゼロを目指す新しいエネルギー政策が了承された。原発推進とともに、原発ゼロの道のりも極めて険しいことは、最近の経済界要人の声からも想像できるが、昨日になって俄かに原発推進国の米英仏が、日本が原発ゼロを目標に盛り込むことに懸念を示し始め、日本政府に牽制球を送り出した。
特に、アメリカは日本が再処理に伴い排出されるプルトニウムの処理に疑問を抱いている。これまで国内だけで済む問題と考えられていたが、どっこい今後は原発稼動国との話し合いと調整が必要になった。原発反対運動も新たな局面を迎えることになったと言える。