尖閣諸島国有化に反発している中国の反日デモは日増しに激しさを加えて、今年が日中国交回復40周年の記念すべき年に当たるが、両国間の交流や親善イベントが民間レベルも含めて間際になって中国側によって一方的にキャンセルされるケースが増えてきた。尖閣諸島問題が原因というならまだしも、キャンセルの詳しい事情も語らず、ただ詳しい説明もなくそのような時期ではないというような事情では俄かに納得できない。また、それまでその実施に向けて企画に携わってきた人たちに対して失礼極まりない。これが老荘思想を輸出する国の人間の行うことだろうか。
昨日反日デモは中国各地55都市で行われたが、今日は80都市で行われ、中国国内の日本企業や、デパート、日本レストランが襲われ狼藉される有様で、青島のパナソニックでは工場に火をつけられたり、イオンの如きは24億円分の在庫商品が奪われたり壊れたりしたそうだが、これでは政治的なアピールというより、器物破損、強奪であり完全な犯罪ではないか。こんな蛮行が愛国的行動として取り締まられないどころか、お目こぼしなのである。この状態だと凶暴化したデモの発生件数は過去最悪になりそうである。彼らがいくら正しいと思うことを主張しても行うことがドロボーと寸分変わらないのでは、世界の常識的な国家ではそんなお祭り騒ぎは線香花火に終わってしまうのではないだろうか。そうなることを願い期待したいと思う。実際呆れ果てる所業で、物言うも盗人猛々しいと言わざるを得ない。
市内では日本人が暴行を受けたり、はたまたタクシーに乗車拒否されたり、中国流の「愛国無罪」の下に何でもありの様相を示してきた。いくら気に入らないからといって、罪のない人を襲ったり、それを国が黙認し、止めようともしない状態は異常としか言いようがない。こんな無法国家は他国と付き合う資格はないと思う。日本人排撃のインターネットの書き込みも度を過ごしていて、それを煽っているのがいつもながら中国官製メディアである。日本に有利な情報は隠匿し、自分たちにとって都合の良い情報しか流さず、正しい情報は国民に目隠ししている。これに気がつかない中国人がメディアにマインド・コンドロールされて喚きちらして、暴れている構図である。愛国→反日デモは、中国人の品性のなさと非常識を国際社会へ発信しているようなものではないか。特に、こういうアブノーマルなケースでは普通は行き過ぎるとどこかでブレーキをかける良識的な声が出てくるものだが、中国ではどこからもまともな声は一向に聞かれそうもないことである。これこそ国家がメディアをコントロールしている証拠ではないだろうか。
それにしても酷いものだ。反日なら何をやっても許されるということが、理解できない。こういう偏った思考が生まれたのは、道徳教育の失敗と過度な反日教育によるものであり、長い間の中国共産党による一党独裁の支配体制に由来するものだ。血が上った中国人には、今何を言っても無駄だと思うが、もう少し冷静に事態を解決しようとの気持ちになるのを待つよりしょうがないのだろうか。中国人というのは、もう少しまともだと思っていたが、他人のことは構わず自己本位に騒いで行動する民族だということが分かった。残念なことである。
尤も日本の政治家が事態解決に向かって解決のためのアイディアも知恵も出さないのも悪い。
まったくこの数日は胸糞が悪くなるばかりである。