昨晩我々が宿泊した部屋は軽井沢プリンス・ホテルの中でも、コテージスタイルの部屋でそれぞれが一戸ずつ独立したものである。家族が久しぶりに寛いで泊まるには、打ってつけである。大木が林立する林の中に静かで、緑が溢れんばかりで抜群の環境にあり、昨晩はやや寒かったがおかげでゆっくり休むことができた。
今朝二男から「軽井沢絵本の森美術館」と「エルツおもちゃ博物館軽井沢」へ孫を連れて行くので一緒に行こうと誘われたのでお供したが、一昨年妻と訪れた塩沢湖を取り巻く周辺の「軽井沢タリアセン」のすぐ隣にあった。絵本やおもちゃの博物館もじっくり見学すれば、それなりに面白いと思う。タリアセンも湖の周辺の散歩道も整備され、小規模ながらも家族連れが楽しむにはほどほどの娯楽施設もあって、小さい子どもを連れたファミリーには手ごろだと思う。中々印象的で興味を惹く観光施設だったので、序に彼らをそこへ案内したところ気に入ってもらえたようだった。
軽井沢は2年ぶりだったが、偶にはこういう静かなところでゆっくりリフレッシュするのも良いものだ。その後彼らと別れて2時近くに軽井沢を発ち、6時ごろ無事帰宅することができた。
さて、尖閣諸島国有化以来反日デモが加熱して日中両国の間に険悪な空気が流れ、その後派手な反日デモはやや終息気味であるが、両国間に少しずつ経済、文化、観光などの面で影響が表れてきたようだ。一方で、来月中国国家主席に就任すると思われている習近平・国家副主席が、数日前アメリカのパネッタ国防長官に会った際、日本の右翼政治家たちが茶番を演じたと些か常軌を逸するような礼を失する外国への中傷的な表現で厳しく非難した。
前者については、日本から中国への輸出に関して、従来以上に厳しい通関手続き審査を行って物流に支障を来たしたり、日本関係の書籍の出版と販売を差し控えさせたり、スポーツや文化の交流を中止したり、或いは日中相互間の観光客の減少をもたらしたり、多くの分野で芳しくない影響が出てきた。
一方後者については、中国のトップが一方的に日本の対応を非難し、中国国民が過激な反日デモを容認し、その責任は日本が負うべきだと傲慢な弁舌を行っていたが、一昨日アメリカのキャンベル国務次官補が、ウェブ上院議員の質問に応える形で、日中どちらの肩を持つつもりもないと断りながらも、「尖閣列島は日本の施政権下にあり、1972年沖縄を日本に返還して以来日米安保条約の協議の対象にある」と述べたことを受けて、習副主席の日本攻撃は少しニュアンスを変えてトーンダウンした。しかし、軍部の態度は相変わらず強硬のようだから、これまで通り楽観は許されない。
中国の日本非難には常軌を逸する面があり、日本としては正論をぶつけて反論し、国際社会にアピールたいところであるが、当面は中国が頭を冷やすのを待つ方が良いだろう。
それにしても日本にとってやはり頼りになるのはアメリカしかないというようでは、この劣勢を逆手に取られる心配がある。今では、残念ながらわが国にとって日米安保条約が外国からの攻撃を防止する大きな抑止力になった感がある。これは日本にとっても両刃の刃となりかねないことを認識したうえで、アメリカとも真摯に向き会わなければならない。対中戦略上アメリカの傘の下にいることが、中国から言われなき攻撃を受けずに済むと短絡的に考え、自ら問題を解決しようとしないなら、反って中国の思う壺となる。アメリカに対しても渦中のオスプレイ沖縄配備問題について日本の立場を論理的に主張しないなら、また将来的な脱原発に懸念を表明するアメリカ政府に対して断固としてわが国の立場、考え方などをきちんと説明しなければ、どこの国に対してもわが国はひ弱な丸裸ぶりをさらけ出すだけである。結局日本は断固として言い分を主張せず、他国頼りか、沈黙を守ったまま何も言わない静かな国であると足元を見透かされるだろう。
ところで、今日は「秋分の日」であるが、例年「秋分の日」は23日が相場と決まっている。それが今年は今日22日が「秋分の日」で、意外にもこの椿事は、実に116年ぶりだそうである。嘘のような本当の話である。