3230.2016年3月17日(木) 優勢な共和党トランプ候補を警戒

 昨日アメリカ大統領選のミニ・スーパーチューズディと呼ばれる予備選が、民主党、共和党ともに5州で行われ、これまでの優勢を民主党クリントン氏、共和党トランプ氏が更に伸ばし、このままの勢いだと両氏の優勢は揺るがずゴールへ飛び込みそうだ。

 民主党はサンダース氏がクリントン氏を追い上げているが、その差は縮まらず、4州をクリントン氏が制した。トランプ氏にしてもすでに予備選から宿敵ルビオ氏が降り、当面のライバルはクルーズ氏となっている。先週暴力騒ぎまで引き起こす事態があって悪い印象を与えたトランプ氏にとって、このミニ・スーパーチューズディは幾分不利と見られていたが、むしろ他候補を圧倒してこのまま予備選を制しそうな勢いである。

 そろそろ諸外国でも、もしこのままの戦況が続き、仮にトランプ氏が次期大統領になった場合の対策を考え出したところもある。日本政府でもどれほどの可能性と真剣味を考えたのか分からないが、対トランプ作戦を密かに検討し始めたそうだ。トランプ氏は、安保条約は日本が他国から攻撃されれば、アメリカは支援するが、仮にアメリカが攻撃されても日本は助けてくれない不平等であると日本を批判しているが、実態を知らないようだ。安保条約条文はほとんどアメリカの要請で文章化され、航空自衛隊の装備や航空機はアメリカの戦略により整備されている。加えて在日米軍の経費は日本がほとんど拠出している。日本国憲法が海外派兵を禁じていることもまったく配慮していない。そんなことも知らないで、一方的にただ日本は狡いとの日本憎し一辺倒の人物を、同盟国アメリカの大統領だからと言って彼の考え方や意見をそのまま受け入れるわけにはいかない。警戒しなければならない要注意人物である。

 実際トランプ氏が大統領に当選したら、世界中が対米政策を仕切り直しするのではないだろうか。昨日閉幕した中国全国人民代表大会(全人代)で挨拶した李克強首相は、本心はともかく誰がアメリカ大統領になっても対米政策は変わらないと述べていたが、ヨーロッパ諸国は確実にアプローチを変えてくるものと思う。

 さて、またおぞましい事件を思い出すように、シリアで行方不明のフリージャーナリスト・安田純平氏の笑顔のないネット動画像がテレビで放映された。まだ忘れもしない昨年1月に誘拐され人質として公開処刑された後藤健二さんと湯川遥菜さん事件以来まだ日も浅い。

 今また同じような残虐な事件へ発展するのだろうか。安田さんの動画公開には、イスラム教スンニ派過激派組織「ヌスラ戦線」が関与していると見られ、狙いは日本政府への身代金要求のようだ。もう救い出すことは出来ないのだろうか。心配である。

2016年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com