6899.2026年4月3日(金) 「独身税」とは一体何だ?

 新年度に入って新たに税制に「子ども・子育て支援金制度」という税制が導入されることになった。実は、この税制を俗称で「独身税」と呼ぶのだそうである。当初「独身税」とは、随分刺激的な名称だと思っていたが、実態は独身者だけに課するのではなく、国民全員に課す税金で、所得から一方的に控除される。これは政府が打ち出した少子化対策の一環で、ややきれいごと過ぎるが、子育て世帯を支援する新しい仕組みである。

 この「独身税」が生まれた背景には、新生児の減少がある。厚生労働省の資料によれば、2023年の出生数が72万7千人だったが、翌24年には68万6千人へ減ってしまった。1年間で4万1千人も減少している。2016年以降毎年減少傾向が続いているのだ。24年1人の女性が生涯に生む子どもの平均数を表す合計特殊出生率は1.15だったが、その前年は1.20だった。出生数や合計特殊出生率が年々減少し、少子化問題が深刻化しているが、これらは晩婚化や高齢出産の進行が原因と考えられている。これは結婚や出産、育児に多額の費用がかかるため、結婚や出産に踏み切れない若者が増えていると考えられ、価値観の多様化もあり敢えて結婚や、出産を選択しない人が増えていることも原因であると考えられている。

 しかし、この傾向が長く続くと将来的に労働力の減少はもとより、現役世代の負担増、地域の活力低下、国民の生活水準への影響、高齢化の加速などの問題が生じて来る。

 政府は23年に異次元の少子化対策「子ども未来戦略」を打ち出し、いろいろ施策を実施して、その施策財源のひとつとして用いられたのが、今年度導入されることに決まった「子ども・子育て支援金制度(独身税)」である。これは永続的な制度ではなく、一応28年度までの3年間に段階的に実施することにしている。

 では、その財源はどう徴収するかであるが、現在の所得から徴収されている健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料に上乗せされて徴収される全世帯が負担する制度になっている。従って、我々のように企業から給与をもらっていない後期高齢者は、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料が増額されることになる。私の場合、初年度月額800円の値上げということになる。来年度は、毎月1,050円、28年度は1,400円が徴収される。

 これが、狙い通り子どもの数が増えることに繋がれば良いが、そうでなければ、単なる公費の値上げということになる。戦前には、「産めよ増やせよ!」と軍部の口車に乗った形でどこの家庭でも子沢山となり、人口は増えたが、夢の中であってもまさか新生児が戦争に駆り出されることはないことを願う。

2026年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com