事前から注目を集めていたトランプ大統領のアメリカ国民へ向けたテレビ演説が、日本時間の今日午前10時から行われた。このところの大統領の発言がコロコロ変わるので、どれが本当か見当もつかない。一昨日には、イランへの軍事作戦は2週間か、3週間以内に終えると述べた。そもそもイランとの合意は、トランプ・サイドが言っているだけで、イランは合意していないと言い、交渉にも当たっていないと両国のすれ違い発言ばかりが目立つ。
結論から言えば、今日のスピーチは今まで発言したことを繰り返しただけで関係国が期待するような内容ではなかった。トランプ大統領が演説で語った要旨は概ね以下の通りである。
1.この紛争が終れば、ホルムズ海峡は自然と解放されるだろう。
2.この期間中に合意が成立しなければ、発電所をひとつ残らず徹底的に攻撃する。
3.ホルムズ海峡を通じ石油を得ている国々は、自分らで主導的な役割を担い、航路を管理・確保すべきである。
4.イランは弾道ミサイルの備蓄を急速に増やし、アメリカ本土、地球上のあらゆる場所を射程に収められるミサイルを手に入れていた。
5.多くのアメリカ人がガソリン価格の上昇を懸念している。これは紛争とは関係ない国の石油タンカーに対して常軌を逸したテロ攻撃を仕掛けたせいである。
6.核心的な戦略目標はほぼ達成されつつある。
7.アメリカの軍事目標を達成する軌道に乗っており、今後2~3週間内に彼らの本来あるべき場所、つまり石器時代へ逆戻りさせる。
8.戦争の歴史の中で、敵が数週間のうちにこれほど毀滅的な損害を与えたことはない。我々は今かってない大きな勝利を収めている。
9.この4週間で我が軍は、迅速で、決定的、そして圧倒的な勝利を収めてきた。
10.イラン革命防衛隊の指揮統制は今まさに崩壊しつつある。
以上の演説内容に関して、イラン攻撃についてはアメリカが勝利を収めていると強調したが、今後2~3週間は攻撃を続けるとの考えに、停戦へ向けた具体的なコメントがなかったことで諸外国から失望の声が漏れてきた。日本政府内でも国内の物価高や石油製品の枯渇などで国民に不安を与え事態の長期化を懸念している。
ただ、イランの革命防衛隊とつながりのあるトルコのタスニム通信は、「トランプ大統領は、根拠のない主張や賞賛を繰り広げ、戦争を開始した時に掲げられた当初の目標が達成できなかったことには一切触れなかった」と伝えている。
大体アメリカのイランへ対する条件は15項目もあり、しかもひとつひとつがイランにとっては呑めるものではない。しびれを切らしたトランプ大統領が、口ではイランを国ごと破壊するような発言をしても、仮にそれを実行したら後世取返しのつかない破壊行為の悪行と受け取られ、世界中からのけ者扱いされるだろう。世界中が注目した割には、中身のない演説だった。アメリカの大統領ともあろう人物は、騒ぐだけ騒いで後始末ができない朴念仁に過ぎない。