1981.2012年10月15日(月) 拉致被害者帰国から10年経過

 10年前の今日、北朝鮮に拉致されていた日本人拉致被害者5人が帰ってきた。残る被害者の帰還も直ぐにもと期待されたが、残念ながらその期待は未だに実現していない。しかも、現状はその可能性は遠のくばかりである。拉致被害者家族会が結成され、世論の支援を受けて国は国務大臣国家公安委員長に拉致問題対策相を兼任させ、問題解決へ取り組む姿勢をアピールした。だが、入れ替わり立ち代り大臣が交代する中では、当該の大臣も本腰を入れて拉致問題だけに取り組む時間もなく、意欲も感じられず、事態は一向に進展しないまま、無為に10年が過ぎてしまった。

 日朝間の外交関係は冷え込んだままで、いくら北朝鮮の指導者が交代したとは言え、現状では解決の道は見えない。恐らく日本が北朝鮮に相当な経済的援助を行って、北にとってもそれが大きなメリットがあると判った時か、或いは可能性は薄いが北の支配体制がドラスチックに変わり、現体制が崩壊した時しか、望めないのではないかと悲観的にならざるを得ない。

 さて、相変わらず動きの見られない国会だが、漸く与野党の幹事長会談を行い、見通しだけは何とか立ったというところだ。しかし、まだ臨時国会の日程が決まったわけではない。そんな折に、日本維新の会の代表である、橋下徹大阪市長と幹事長である、松井一郎大阪府知事らが政府与党を始め、各党を挨拶周りをした。橋下新党としては、国政進出へ向かって具体的なスタートを切ったというところである。それでも首を傾げたくなるのは、大阪市長と大阪府知事という要職にある二人が、国政活動に動くことが大阪府と大阪市にとって、また府民と市民にとってマイナスにならないだろうか。そんなに大自治体の業務を、簡単に責任を持って執行することができるのだろうか。

 かつて橋下市長は、自分の時間を削り、時間を生み出せば二役も可能だと見方を披瀝したが、そんなに簡単に二役をこなせるとは思えないし、仮にできたとしても全力投球とはいかないのではないか。

 日本維新の会が国政へ進出すること自体は、既成政党の既成概念を打破するためにも大きなエネルギーとなり、政界に新しい風を吹き込むことになると思うが、「二兎を追うもの一兎も得ず」になりかねないのではないかと少々気になる。

2012年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com