日本時間21日午後8時ごろアメリカのトランプ大統領は、48時間以内にホルムズ海峡封鎖を解除することをイランに要求し、これが実現しない場合は、アメリカがイランの発電所を攻撃し、完全に破壊すると述べた。これに対してイラン軍司令部報道官は、敵がイランの燃料・エネルギー施設を攻撃した場合、中東地域にあるアメリカのすべてのエネルギー施設等を標的にすると警告した。売り言葉に買い言葉でどっちもどっちである。トランプ大統領はそのための猶予期間を2日間与えると語った。それでもイランとの協議がまとまらなければ即攻撃を実行すると述べた。ところが、このところ思惑が外れることが多く、しばしば発言を変更しているトランプ大統領としては、今度こそ本当に目的を達成するとの意気込みである。しかし、イランの交渉相手を明かさない。一方で、イラン側は交渉をしていないと否定し、アメリカとはまったく意見が食い違っている。
そして、公言した2日間が経過する直前の昨23日になって、トランプ大統領は突然石油施設攻撃の予定を5日間延期すると述べた。どうもチグハグであるが、トランプ氏は、「敵対関係の完全かつ全面的解決に向け、過去2日間非常に良好で生産的な協議をおこなった」と表明し、その成果を条件としてイランの軍事施設への攻撃を5日間延期するよう国防総省に指示したと語った。引き続きイランとの停戦に向けて両政府が協議を続けると表明した。ところが、トランプ氏の交渉相手がイラン政府の如何なる責任者なのか、相変わらず名前を語らなかった。どこまで本気で現状打開の努力をしているのか、実際に交渉しているのか、交渉経緯は極めて複雑で分からない。果たして5日後にアメリカ軍は、イランの石油施設への攻撃を実施するのだろうか。このトランプ大統領の発言を受け、アメリカの株価は急反発し、原油価格は急落したのである。イランの交渉相手が誰だか分からない停戦交渉に、経済界は振り回されていると言える。多くの点でアメリカ経済に影響されがちの日本でも、直ちに反応して株価が急騰した。
いま別の意味で懸念されるのは、トランプ大統領の発言が、しばしば変わることである。その発言の重みが減じて軽々に感じ取られるようになった。はたして、5日後の日本時間28日にアメリカ軍は、イランの石油施設を攻撃し得るだろうか。或いは、イランの不明な交渉相手と交渉をまとめることが出来ようか。
遥かに日本から遠く離れた国々の諍いであるが、日本にも石油の問題で大きな影響があり右往左往させられている。トランプ大統領への期待はあまり当てにならないが、せめて我々一般国民は、ひたすら戦争が停戦となることを期待するしかない。