1985.2012年10月19日(金) 橋下徹・大阪市長vs.「週刊朝日」の対決

 「日本維新の会」を国政政党として立ち上げ、政界はおろか日本中の各方面に旋風を巻き起こしている橋下徹・大阪市長にまつわる特集を、「週刊朝日」10月26日号が緊急連載を始めた。表紙も橋下市長の顔を大きく扱い、そしてその表題がすごい。「ハシシタ 救世主か衆愚の王か」や、「橋下徹のDNAをあぶり出す」とか、「ハシシタ 奴の本性」とか、あまり好意的ではなく、とにかく凄まじい。やれ、橋下市長の父親は全身刺青のヤクザで、自殺をしたとか、やれ、従兄弟は殺人を犯したとか、知られたくも明かされたくないプライバシーの暴露には驚いた。一昨日駒沢大学の清田講師がここまでやるかと驚いて言われたほど一貫して橋下市長攻撃が徹底している。私も一読して、ここまでプライバシーを一般に暴かれたら橋下市長も黙ってはいられまいと感じた。各方面で脚光を浴び、その言動があらゆる面で注目されている橋下市長は権力の座に就いたが、ここまで大朝日に厳しく攻撃されるとは思ってもいなかったのではないか。見方によっては、それほど橋下氏はある面でメディアを敵に回してしまっていたとも言えるのではないだろうか。

 これに対して橋下市長は、直ちに反撃を開始した。言論の自由は尊重されるべきであるが、ここまでプライバシーを暴かれては我慢ならないとばかりに、今後朝日新聞と朝日放送の取材を拒否すると伝えた。だが、これは些かやり過ぎで公私を混同していると思う。アピールするなら私的な面だけに留めておくべきだろう。

 これに対して、「週刊朝日」編集長が今朝の朝日で橋下市長に謝罪をした。朝日記事によれば、同誌は同和地区問題で差別の是認や助長をする意思はなく、その点で表現が不適切だったと謝罪し、次号で「お詫び」を掲載するという。しかし、この謝罪文では、市長個人や縁戚に関するお詫びがなく、むしろ二次的な同和問題のお詫びだけになっている。案の定橋下市長はこの謝罪コメントに納得せず、「人格を否定する根拠として先祖、縁戚、DNAを挙げて過去を暴き出した」と批判している。特に、家族の出自や被差別部落の地名まで触れた点を強く非難している。今後どういう結末になるのか判らないが、次号の掲載内容を読んでみたい。ただ、この特集の中心執筆者は、ノンフィクション作家の佐野真一氏で、氏の面子もあり、そう簡単には白旗を掲げないだろう。佐野氏のコメントも楽しみに待ちたいと思っている。

 願わくば、言論の自由とプライバシーの保護を一緒くたにしないでもらいたい。

2012年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com