1986.2012年10月20日(土) 橋下大阪市長に白旗を掲げた「週刊朝日」

 昨日取り上げた橋下徹・大阪市長と「週刊朝日」の対立は真っ向勝負となったが、昨日深夜になって朝日側がお詫びのコメントを発表し、次号にお詫び公告の掲載と以降の連載を打ち切ることで収束の見通しとなった。橋下市長も「ノーサイドにしてやる」と終戦宣言をした。

 実は昨晩インターネットで情報を探っていたところ、石原慎太郎・東京都知事や猪瀬直樹・副知事らが「週刊朝日」の記事について、出自や肉親の過去まで暴き出して批難するのは卑劣だと朝日側を批判していた。特に、猪瀬氏は主筆者である佐野真一氏の忌むべき過去の盗用履歴まで明かして佐野氏の行為を批難した。ともに作家である猪瀬氏と佐野氏は同年齢であるが、元々仲が悪かったらしい。猪瀬氏の言うとおり、実際に佐野氏は「月刊現代」85年11月号に池田大作に関するドキュメントを書き、そこには溝口敦氏の著作から十数か所盗用箇所があり、翌月号にお詫びと訂正を載せたことがある。この時から猪瀬氏は佐野氏の品性に疑問を持ち、付き合いを止めたと述べている。他の佐野氏の作品にも盗用が見られるという。

 佐野氏は「記事は『週刊朝日』との共同作品であり、すべての対応は『週刊朝日』に任せている。記事の中で同和地区を特定したことなど、配慮に欠ける部分があったことについては遺憾の意を表します」とのコメントを発表した。ここまで責められては逃げようもない。佐野氏も観念したのだろう。大朝日が白旗を揚げるのは珍しい。それだけにこの記事の内容について朝日としてもよほど不味いと考えたのだろう。佐野氏は記事の中で、「もし万々が一、橋下が日本の政治を左右するような存在になったとすれば、一番問題にしなければならないのは、敵対者を絶対に認めないこの男の非寛容な人格であり、その厄介な性格の根にある橋下の本性である」とまで語っている。ならば、周囲の出自だとか、環境など非民主的な手法で攻めるより、もう少し本筋を突いた橋下個人の言動を炙り出して橋下氏の実像を描き出すべきではなかったか。

 それにしても「日本維新の会」代表である橋下氏は、近づく解散・総選挙を念頭に、本業である市長職を放り出して早くも全国遊説へ飛び出していった。これから益々東奔西走の忙しさとなるであろう。とすれば、先日本欄で危惧したように、このままでは大阪市長としての責任ある職責を全うすることができるかどうか疑問である。他人事ながら些か気にかかる。

 良きにつけ悪しきにつけ、どこまでも人騒がせなお人である。

2012年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com