1991.2012年10月25日(木) びっくりしたなぁ!石原都知事辞任へ

 昨日の本ブログで高校の先輩・根岸英一博士について触れたばかりだが、今日は同じく高校の先輩で、根岸博士にとっても1年先輩の石原慎太郎・東京都知事の突然の知事辞任と新党結成のニュースには正直びっくりした。

 高校2年生時の授業で担任教師が「今度芥川賞を受賞した石原慎太郎くんは君らの先輩だよ」と話されたことをよく憶えている。

 石原知事の新党結成は以前から度々噂に上がっていたが、昨年都知事選立候補に際して松沢・前神奈川県知事との間にしこりを残した曰くつきの4選からまだ2年足らずの任期途中で、しかも年齢的にも国会議員にまで踏み切ることはないだろうと考えていただけに、まさに知事辞任は青天の霹靂だった。新党の代表となって、衆議院に立候補するという。これで政界に新たな風を吹き込むことになるだろうか。しかし、すべて万々歳というわけにも行くまい。石原知事は、もう年を取り過ぎていると言っては先輩に失礼だが、4月にアメリカで尖閣諸島の都による購入計画を爆弾的に発言して、その後の日中間の対立を引き起こすきっかけを作ったり、とかく台風の目玉となってきた。このニュースは早速中国のテレビ局でも速報されている。

 石原知事の言動には、アイディア、発信力、行動力、説得力など、良い点もたくさんあるが、首を傾げざるを得ないことも数々ある。今日はあまりにも唐突な発表でとにかくびっくりした。号外も出た。これから賛否を含めていろいろな意見や論評が出てくることだろう。

 さて、昨日原子力規制委員会が公表した、全国にある原発16ヶ所の放射能拡散予測結果が大きな波紋を投じている。防災地域を原発8~10㎞から30㎞以内に拡大した。この対象市町村は45から135に増え、人口は480万人になる。一旦事故が発生したらこれらの人々をどうやって避難させるのか。交通機関の混乱は想像を絶する。これにより原発再稼動のハードルが一層高まった。すでに政府や民間の事故調のアンケートなどにより、国民の大多数が原発再開に否定的であるとの意思ははっきりしている。政府も煮え切らない態度であるが、先月には2030年代に原発ゼロを目指すとの革新的エネルギー・環境戦略の方針だけは発表された。他方で規制委員会が安全性を確認した原発は政治判断を挟まず再稼動させるとの矛盾するような方針も公表している。はっきり言って政府も迷っているのだ。

 ところが、その一方でこれに逆行する声も経済界を中心に根強くあり、更に火力発電に頼らざるを得ず、国際社会に約束した二酸化炭素の削減が困難であること、海外、特にフランスやアメリカから日本の原発中止に対する身勝手な反対意見も寄せられる有様である。

 これらのマイナス要因を考え、国民の過半数が反対していることを踏まえると、原発は長期的に国民生活の幸福度から見ても最早再稼動は難しいと判断すべきである。

 今朝の朝日新聞では、社説と論評ともに「放射能予測 防災が無理なら廃炉に」とか、「廃炉の原発 決める時」とピシャリ断じている。防災計画が広域化されたことも新たに大きな問題となった。これができないと稼動は困難との規制委員会田中委員長も言っている。これでは、問題丸抱えの原発再稼動より、国民生活にとって不自由は伴うが、安全な原発ゼロ社会理念を受け止め、電力の無駄な消費を止めてすべての原発を廃炉にした方が、よほど人間の智恵と理性を生かした人間らしい社会生活を送れることになるのではないだろうか。

 原発再稼動絶対反対!

2012年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com