現在核兵器禁止条約という国際条約があるにも拘わらず、相手国を脅しのために核兵器を所有、使用しようとする国が増えつつある。それは、核兵器を「非人道兵器」として、2021年にその開発、保有、使用、或いは使用の威嚇を含むあらゆる活動を例外なく禁止した国際条約に反する行動である。地球上で唯一核を被曝した広島、長崎における惨禍を浴びた戦争被爆国でありながら、日本の政治家らは、現在99もの国や地域が署名しているこの核兵器禁止条約に参加もしていないし、日本政府には参加しようとの気持ちが見られない。
このほど衆議院総選挙を前に、日本原水爆被爆者団体協議会(日本被団協)が、参議院議員と解散前の衆議院議員の計713人に核兵器禁止条約についてアンケートを行った結果、屈辱的だが、ほんの21%の147人の議員からしか回答がなかった。彼ら議員には、そもそも核禁条約を取り合おうとの気持ちがまったくないのだ。回答者の内、日本が核禁条約に署名し、批准すべきだと答えたのは、80%の117人だったが、そう答えた自民党議員はひとりもいなかった。
極めて遺憾なことだが、自民党議員の中にひとりも核禁条約批准の気持ちがないということは、同じ日本人として理解に苦しむ。本物の戦争を知らず、核の恐ろしさを知らずして、戦争を感覚的に怖いものとは思わない議員らが、憲法改正には熱心で、自衛隊を軍隊に変え、憲法9条の戦争放棄を蔑ろにして、着々と戦争準備に勤しんでいる案配である。
戦争の残酷さを全く知らない戦後世代の自民党国会議員が、戦争の恐ろしさや核の悲惨さをどれほど知っているのか、臨場感でその恐怖を知らない政治家には、国の舵取りをとても任せられない。加えて、個人的には批准に反対しなくとも党内からいろいろ圧力がかかってくるのだろう。明らかにアメリカの核戦略構想に寄り添い、アメリカの言うままにアメリカに楯突くことを避けているだけに過ぎない。自民党議員の善意なぞとても信用することができない。
流石に、日本被団協としては失望したせいだろう、自民党議員から回答がなかったことについて「核禁条約についての関心の薄さを感じざるを得ない」と語っている。そして、衆院選の投票の際の参考にしてもらうべく、日本被団協HPに議員毎の回答結果を公開するそうである。早速そのHP上に議員らの考えを読み取ろうとしたが、残念ながらまだ回答結果は載せられていなかった。
それにしても高市首相就任以来、防衛予算の増額や、トランプ大統領の言動に沿ったような政策は、政府自民党の右傾化であり、それは急速に進んでいる。もし、総選挙で自民党が過半数でも獲得するなら、高市政権に日本の右翼化、軍国化へのお墨付きを与えるようなもので、恐怖である。こうなると高市自民党の議席獲得数が少しでも後退するよう期待するだけである。