1997.2012年10月31日(水) 石原慎太郎・東京都知事正式辞任

 今日東京都の石原慎太郎知事が正式に辞任した。長かったとか、満足感と開放感があると言っていたが、任期を半分以上残しながら辞めることについてわれわれ都民への説明はまったくなかった。この辺りが自己本位にして天邪鬼で、周囲や支援者への思いやりに欠ける点だろう。こんなことになるのなら、前回の知事選で一旦は辞めると言い、後任として松沢成文・前神奈川県知事を認めるフリをしつつ君子豹変して引退表明を撤回し、松沢氏の顔へ泥を塗るような行為をすべきではなかったのではないか。

 これから国のために最後のご奉公と言って第三極の結成を目指しているが、言いたい放題の性格が今後魑魅魍魎の政界でどんな存在感を示すことができるだろうか、行動力は抜群であるだけに、最後の仕上げをどうやろうとしているのか見てみたいものである。

 さて、去る25日の本ブログに前日原子力規制委員会が発表した、全国16ヶ所の原発で重大事故が発生した場合の放射能物質の拡散予が、舌の根も乾かない内にと敢えて言いたいが、僅か5日後の29日になって同委員会は6ヶ所データの入力ミスが原因で放射能物質の拡散する方角や距離が誤っていたと修正予測図を改めて公表した。

 何とまぁお粗末なことか。ほんの5日前に発表した、国民の安全にとって極めて大事な情報をいとも容易く間違っていたと訂正する信頼感に欠ける軌道修正をやってのけたのである。5日前自治体や国民、特に関係深い地方の役所や人々を驚かせ、悩ませていた情報が訂正されたことにより、二重にショックや戸惑いをもたらしたことになる。どうしてこういう無様なことが起きてしまうのか。気の緩みとか、無神経で済まされる問題ではない。不遜であり真剣さが足りないのだと思う。

 昨日の朝刊には、訂正された6ヶ所のカラーの放射能拡散予測図が掲載されていた。今後のためにも注目しておきたいが、これだけの問題を引き起こしていて、規制委員会と関係役人らの処分が多分なされることはないだろう。これが内に甘い日本の官僚機構の体質なのだ。これだから、同じような問題は再び起きる。石原都知事が強調していた、中央官僚機構を変えないとダメだと言っていた通りの無様なシナリオである。

 ところで、アメリカ東部海岸を襲ったハリケーン「サンディ」がニューヨークを直撃した。時折激しいハリケーンがアメリカに上陸して多くの被害を出すのは知られているが、今度のハリケーンは大都市における災害に対するもろさを露呈することになった。市内マンハッタンは水浸しである。一週間後に予定されている大統領選も影響を受け、遊説を中止する有様である。投票結果にも影響しそうだという。広範囲に亘る停電で地下鉄は全面停止して、復旧のメドは立っていない。108年の歴史を誇る地下鉄も過去最大の被害を蒙ったと言われている。

 停電で観光客も大きな影響を受けているようだ。航空便がほとんどキャンセルされ、その他の交通機関も不通でホテルへも辿りつけず、辿りついたホテルも停電というていたらくだそうである。成田空港のニューヨーク行出発便が運休となったのは、ニューヨーク空港出発便がすべて運休となったためだ。いかに近代都市でも、自然の猛威には打つ手がなく弱いものだとつくづく思い知らされる。全米ですでに死者が50人を越えたという。ニューヨークヘのハリケーン襲来はまったく予想されていなかったようだ。世界的な気候変動もあり、ブルームバーグ市長もハリケーンに備えた防災計画の見直しが必要だと述べた。自然を舐めているとしっぺ返しを食らうことを改めて知らしめた。

2012年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com