田中真紀子・文科相が3大学の開学不認可を撤回して、改めて認可した不手際について昨日になって漸く謝罪したが、ことは納まりそうもない。大臣としての資質に欠けるとして、問責が提出されそうな雲行きとなってきた。与党内でも辞任を求める声が上がるなど四面楚歌の中にある。
日経紙社説は「田中氏に閣僚の資格はない」とまで決め付け、「これほどの混乱を引き起こしておいて、大臣の職にとどまるのはあまりにも無責任ではないか」と大臣辞任を求めている。このほかにも毎日、読売新聞も田中大臣の辞任を求めているが、とりわけ手厳しいのが産経新聞である。同社HP上に「大学不認可騒動、虚言と言い訳の真紀子『暴走大臣』」として約4千語に及んで、過去の罪状(?)を含めて大臣の考え方や行動を徹底して暴いている。「人の心の痛みが分る政治」を志向していた田中氏の真逆の言動が呆れられているのだ。特に記事を書いた新潟出身の酒井充記者にとっては、過去によほど腹に据えかねることでもあったのか、北朝鮮拉致被害者に対する大臣の対応や、外務大臣時代の役所との軋轢などについて容赦しないほどの激しい非難である。やはり、父親角栄氏の過剰な庇護の元に育てられた我が侭し放題の家庭環境が、「人の心の痛めがまったく分らない政治」を行うようにさせたのだろう。
国会ではここへ来て俄かに年内解散の話が浮上してきたが、野田内閣にとっては就任1ヶ月余りで二人の田中大臣の辞任という最悪の事態になって、総選挙で大敗するのがよほど心配なのだろう。いよいよ民主党にはプラスのカードが無くなったようだ。
さて、またお隣の「大国」中国の話題である。25日に開催される北京国際マラソンに日本国籍の選手は参加できないと同マラソン組織委員会が明らかにした。これはどういうことだろう。これでは国際マラソンの看板が泣くばかりか、オリンピック精神に悖るのではないか。「中国国際人種差別マラソン」と看板を付け変えた方がよほどすっきりする。
組織委員会は、日中関係悪化の影響から選手の安全を考慮したためだという。しかし、そんなに心配なら安全を確保するためにコース際に警官を配備すれば良いだけではないか。どこの国の選手も歓迎というのがスポーツマンシップではないだろうか。それを人種差別するが如き行為は、これから大国を志向する小国・中国としては国際社会に対して恥ずかしくないだろうか。
先日北京で開催された今年度世界フィギュアスケート中国大会でも、当初中国の対応はおかしかった。出場選手の安全のためと称して、案に日本選手の出場辞退を求めた。こんなアンフェアな気持ちなら大会自体を開催する必要がなかったのではないか。国際スケート連盟の仲介により、何とか日本選手の出場は叶ったが、男女とも優勝した日本選手の表彰式は、観客を場外へ出してがらんどうな会場で国旗を掲揚し、「君が代」を演奏する異常なセレモニーとなった。
日本はこんな馬鹿げた行為には反応せず、時間はかかると思うが、中国選手を歓迎してイベントを行えば、そのうち中国サイドから歩み寄ってくるのではないか。ぜひそう願いたいものである。中国人は日本を軽蔑して「小日本」と呼ぶそうだが、「小中国」には、このままそう呼ばせておけば良いのではないか。