このところ大小取り交ぜていろいろ話題が多い。今日の朝刊を一目見ても、日銀の長期金利の引き上げ、首都直下地震の発生と被害想定と対策に関する報告書、そして昨日首相官邸のお馬鹿さん幹部の発言である。
長期金利の30年ぶりの高いレベルへの引き上げには、いろいろ影響が現れているようだ。円安停止を目論んだが、ニューヨーク2日間だけでも、むしろ円安を2円も亢進させる結果となったようだ。長期住宅ローンを支払っている人には、大分響くようでその解説も熱心に行われていた。
首都直下地震発生情報については、政府の有識者会議が報告書に、M7級規模の地震が発生した場合、最悪で死者1万8千人、全壊・焼失建物は40万棟、避難者数480万人、帰宅困難者840万人、災害関連死4万1千人と公表した。最近地震がよく発生するが、あまり普段からその場合にどう防止し、被災を免れることができるかと深刻に考えたことはないが、こういう形で政府が国民に警戒を呼び掛けることは大事なことだと思っている。
ただ、首都直下の東京都はこの報告書に関して、直ちに都の見解を公表した。それによると、①電力に関する検証や対策は、国が主体的に行うべき、②災害関連死の算定根拠は不十分、その他にいくつか注文があるようだ。首都直下地震だけに東京都は独自に調査を進めていたとみられ、あまり専門家集団が発表した報告書に納得しているわけではない。
その他に一番問題なのは、日本は核兵器を保有すべきだという政府の「非核三原則」に逆らう発言を取材の記者には名前を知らせないよう釘を刺したうえで本心を語った。この幹部は、恐らく自民党内でも最右翼の人であろう。首相の相談役みたいな幹部である。今朝の「天声人語」によると、野党や自民党の一部からも更迭を求める声が出ているという。中谷前防衛相は、「政府の立場として個人的意見を軽々に言うことは控えるべきだ」と警告している。昨年ノーベル賞平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、「政府高官の核兵器保有の発言に断固抗議する」として、被害者の存在を無視しており許せないと厳しい指摘をした。
自民党内には、この幹部の様な人物がかなり多いことを示した事件だった。幹部の発言とその後の鎮静の様子から察すると、自民党には高市首相以下ほとんどが、同じような考えを持っていることを伺わせる。まず、全員が日本国憲法を読み直し、「武器放棄=非戦」の精神をしっかり頭に叩き込むことである。
しかし、こんな言ってはならないことを軽々に口に出すことは、やはり戦争体験がないからである。戦争が起きたら全員が命を失うぐらいの気持ちがないと、この右翼的な人たちには分からないのだろう。恐ろしいことである。