6740.2025年10月26日(日) 首相は憲法改正・自衛隊の軍隊化を進めるのか。

 いま世界各地で人間同士の争いが続いている。古今東西いつまでも変わらない現象で、人間社会には人の生命を尊ぶ意識が薄れているというのが実感である。戦争により多くの生命が失われているが、愚かな人間は一向に人間同士の殺し合いを止めようとしない。古来地球上の国家同士、民族同士が戦いを継続した結果、今では戦争を職業とする軍隊が組織され、その軍隊同士の争いとなって。

 各地で戦争が行われた結果、命を落とす兵士の数も増えた。そのため各国の軍隊で兵士の数が不足する事態になってきた。軍隊については兵士の徴兵制、男女平等、兵役免除などいろいろ難問がある。

 実は、お隣の韓国では、人口は日本の1億2千万人の半分にも満たない5千2百万人であるが、兵士を50万人も抱えていて、日本の自衛隊員24万7千人の2倍もいる。韓国なりの事情もあり、それだけの軍人を抱えているのだが、近年難しい問題が明かされた。それは、韓国の人口が大分減りつつあることで、いずれ軍隊は定員不足になる。現状は徴兵制度を布いているために軍人が足りないという声は聞かれない。しかし、北朝鮮との対立関係から、膨大な軍事力を維持しなければならない。2023年には出生率が過去最低で、翌24年に生まれた新生児は高々25万人にも満たず、超少子化傾向がはっきりしてきた。人口とともに軍人の不足も懸念されている。徴兵制があっても完全に補充できるわけではなく、最近では「老人軍」という民間団体が、起ち上げられたほどである。

 少々複雑なのは、いま戦争の真っ只中にいるイスラエル軍の兵役免除問題である。イスラエルもご多分に漏れず、ガザ地区攻撃の陰で多くの兵士を失っている。それにも拘らず、1948年国家独立以来徴兵制度が布かれているイスラエルで、ユダヤ教超正統派の信徒が徴兵制を免除されていることに、他の宗派から不満や厳しい声が出ている。難しい問題を孕んでおり、一気に解決するのは難しいようだ。

 一方日本では、軍隊とか、徴兵制度を云々する以前に現行平和憲法の下では、軍隊はないことになっている。それが自衛隊という隠れ蓑を被った実働軍人が25万人近くもいる。だが、あまり知られていないことだが、自衛隊も近年深刻な定員不足に悩んでいる。自衛官の採用は23年度には51%しか確保出来ず、定年年齢を引き上げているほどである。

 高石首相は自衛隊に対する政策や希望などについてまだはっきり考えを述べていないが、これまでの発言で軍備増強を推し進める意向ははっきりしており、防衛費増額を主張している点からも当然自衛隊を増強する考えであると思う。気になるのは、人口も減少し、自衛隊入隊希望者も減少している時に戦争というものの実態をよく知らずに、「防衛」を実際の戦線ではなく頭の中だけで理解しようとする傾向が見られる。あまりにも身勝手に「防衛」政策を考えている。この先、自衛隊の定員不足のために徴兵制度を採用し、それも男女の区別なく女性隊員を徴兵するようになっても軍隊拡張政策を止める意図はないのだろうか。これでは防衛設備に投資しようとしても、多くの国民が振り向かず、心から賛同されることにはならないと思う。

2025年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com