加齢のせいもあり、最近高齢の知人の間で霊界へ旅立つ仲間が増えてきた。私も同じような年齢層なので、次は俺の番かなとつい後ろ向きのことを考えてしまうことがある。そうでなくても体調が優れないという友人が多くなった。昨日は、元テレビ局に勤めていた知人が今夏自宅の階段で転倒して腰椎圧迫骨折で全治3カ月の後に、奥さんまで子宮がんの全摘手術を受けたというダブル不幸のメールをいただいた。私自身も12月に心筋血流を調べるためにアイソトープによる検査を受ける。普段から予防医学の見地から、毎日朝晩に血圧、脈拍、体温、体重を測定して異常な現象をチェックしている。同時に毎日5千歩以上の歩行(今日は雨の中5,726歩)をノルマにしている。それら数値のグラフを作成して、通いつけの医師には、毎度ご相談するようにしてアドバイスをいただいている。この他に年に1度人間ドック検査をしてもらい、5日前には、新型コロナと高齢者用インフルエンザの予防接種を受けて予防的措置を講じている。
従ってこの隙を突いて忍び込む病にはお手上げである。医師にはここまでやれば、普通では充分だとの評価をいただいている。とても病院のテストの段階までは無理であり、現状では今実行している日常の数値の測定を継続的に欠かさないことが大事だと思っている。
それにつけても今月から後期高齢者の医療費の自己負担2割制度が終了し、元の1割負担へ戻った。この医療費増の影響を受ける後期高齢者の対象者は、全国に310万人もいる。私もその対象者である。
高市首相はこの点については、所信表明の中では全く言及しなかったが、気になったのは、「ワーク・ライフ・バランス」と言って自身が自ら「働く」ことを強調するあまり、右へ習えと言わんばかりに労働時間規制の緩和を検討するよう指示したことであり、過重労働・長時間労働で自死した遺族から苦情が出ている。
また、所信表明の締めくくりで触れた憲法改正である。改正議論の高まりと同時に、安定的な皇位継承に繋がるとして皇室典範の改正について述べた。流石に憲法の中身まではコメントしなかったが、改正を主張するからには、現憲法の戦争につながる軍備放棄に逆らい、自衛隊の軍隊化、軍備の増強を目論んでいることである。戦争の怖さを実感として知らない戦後生まれの首相らしい。これまで連立を組んでいた公明党は現平和憲法擁護だったが、今度のパートナー・日本維新の会は軍備拡張に賛成であり、正に自民党にとっては改正に好都合である。
防衛費増額については、抜本的に強化する方針だと述べ、財源不足分を補正予算からやりくりして実施に前向きである。軍国化へ前向きな日本維新の会と手を結んだことにより、保守派首相は歳出の原資を考えずに予算措置も何とか出来ると考えているようだ。
首相が敬愛しリスペクトするサッチャー元イギリス首相の言葉にこんな文言が残っているそうだ。
「国家が支出を増やすなら、国民の蓄えから借りるか、増税しかない。『公のお金』などはなく、あるのは『納税者のお金』だけだ」。
トランプ大統領と会談する前から、日本に対して防衛費についてGDP比3.5%を求めている大統領の意向を忖度して防衛費の増強まで考えている。取り敢えず今年度は、GDPの2%まで増額し、その後の防衛予算では中期計画を何と1年前倒しで改定する方針をちらつかせている。これでは、所得税や法人税の増税を行うより方策は思い当たらない。アメリカの圧力による防衛費の増額が、日本国民に重くのしかかってくる。こんな思考回路では、サッチャー首相も呆れ果てるのではないだろうか。