6738.2025年10月24日(金) 高市首相、所信表明演説

 今日午後衆参両議院で高市首相が初めて所信表明演説を行った。スピーチ以前に数日前から自分が話したい、やってみたい政策についてある程度演説の骨子はメディアにより伝えられていた。

 冒頭に日本の底力を信じて日本の未来を切り拓く責任を担い、日本列島を強く豊かにして世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、果敢に働くという主旨を述べた。これほど自身の信念と考えを思い切って所信の中で述べた首相は珍しいと思う。

 かなり言動に懸念を抱かれている反面、期待をしている人もそこそこいるのではないかと思う。ただ、まだスタートしたばかりで今後どういう風に政権を主導するのか分からない。半年後にある程度の評価をすべきだろう。首相自身も物価対策を第一のハードルとするようだが、最近の物価上昇にどういう対策で対応するだろうか。お手並み拝見というところだ。

 ついては、アメリカのトランプ大統領が、主役となって関わっている所謂ディールの中で2つスッキリしない事象がある。ひとつは、停戦の仲介者というより主導者として関与したパレスチナ・ガザ地区の和平問題である。戦闘開始以来満2年が経過して、先日いくつかの重い条件付きながら何とか停戦を成立させた。一旦戦火は止んだ。だが、停戦期間中にも拘らず、イスラエル軍は密かに攻撃を再開し、ガザ地区に多くの犠牲者を生んだ。トランプ大統領は、ノーベル平和賞欲しさにあちこちのもめごとに介入しようとしているが、所詮名誉欲だけで火中の栗を拾っているようなものである。

 もうひとつは、ロシア軍によるウクライナ侵攻である。この戦争では、トランプ大統領が当事国のウクライナか、ロシアのどちらかのサイドに立ち位置を変えて、糸を引いている。ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏に供与を希望していたミサイル「トマホーク」を提供すると語ったが、その後ロシアのプーチン大統領が、それをやれば米ロ間関係が危険な関係になると発言するや、トランプ大統領はウクライナへの供与を中止すると語った。同時に経済的制裁を課すと語った。プーチン氏とのよりを戻そうと考えたトランプ氏は、近々ハンガリーでプーチン氏と会って会談すると話していた。それが昨日突然その計画はないと公表した。2人の仲が上手くいっていないことを示した。

 トランプ大統領の独善的な手法に関係者は振り回されている状態である。加えて大統領はアメリカ国内でもトラブルを引き起こしている。その原因にアメリカ憲法の修正1条で保障している表現の自由を邪魔しているのだ。アメリカ大統領がアメリカ憲法に従って行動しないという理不尽な実態が、最近度々起きている。学問の自由が認められている大学構内に立ち入り、反トランプ的言動を取り締まったり、剰え取り締まったり、遂には数日前に全米で反トランプのデモが発生し、拡散する有様である。視聴率の高いテレビ番組の司会者で人気コメディアンの発言に怒って番組自体を中止に追い込むなど乱暴な処分を行っている。これほど言論の自由を蔑ろにした歴代大統領は史上いないそうで、トランプ大統領は自由、民主主義の敵とも受け取られている。

 このわがままな大統領と今後円滑な日米関係を築いていくことを求められている高市首相にとっては、苦労が絶えないと思うが、今日の所信表明の勢いで論破し交渉して欲しいものである。気がかりなのは、今日は触れなかったが、右翼思想である。

2025年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com