19日民主党を離党した山田正彦・元農水相と、国民新党を離党した亀井静香・元党代表が結成した長たらしい名前の新党「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」が、発足僅か2日にして実態として自然消滅、そして形式的にはその翌日河村たかし名古屋市長が代表を務める「減税日本」と合併という「離れ業」をやってのけた。たった2日で作った党を簡単につぶしてしまう。あまりにも節操に欠けるのではないか。この長たらしい党名を省略した仮称「反TPP党」も「反減税党」と変えてしまった。「反TPP党」には当然ながら設立趣意書というのがあった。第三極政党のひとつとして、どんな立派なことを掲げているのか、HPから拾ってみた。
「昨年の東日本大震災以降全ての国民が日本の狭い国土の中で果たして安全に暮らしていけるのだろうか、又この国の繁栄を守り子孫に引き継ぎ存続させていくことができるのかとの危機感を共有しました。しかるに政治は各政党間の我欲を律することができず長らく停滞し、すっかり国民の信頼を失ってしまいました。この上、国民と国土を守る政策が置き忘れられ、政治家の都合で国民不在の政治が行われることは断固として看過できません。
我々は先ず現在の国民にとって緊急の課題である、「反TPP・脱原発・消費増税凍結」を掲げ、国民と国土を守るために決起します。
上記の政策課題と共に下記綱領を掲げる。
1.新自由主義からの脱却と日本の伝統文化を守り日本人の魂を喚起する。
2.誰もが豊かで命と暮らしを守れる経済と社会構造に変革し、国土の均衡を図る。
3.諸外国と対等な友好関係を築くことが最大の防衛であることを前提に自主外交交を展開する。
4.沖縄が占領下の延長線上で苦しんでいることを深刻に受け止め基地の問題と向き合う。
アメリカや中国をはじめとして世界中が経済や社会構造の転換を図る中で我が国も民族の存続を掛けた大きな転換を図らなければなりません。大きな文明の反逆を受ける現在、国民が共有している危機感をうねりとして同じ目線にたち、共に喚起し合い闘う決意で真の国民政党として新党を立ち上げます」。
何だ? こりゃ? 思わず呆れた。上記設立趣意書には自分たちが今まで、国政の場で何もやらなかったことを自白しているようなものではないか。こんな気構えでこれからも国政を背負っていこうというのですかと問いたい。
そしてその翌日「減税日本」と合流するや、党名略称を「反減税党」とした。こんな思いつきだけで政治活動として実際減税をやってくれるのか。上記綱領からは、今喫緊の課題である、脱原発、TPP、消費税増税問題を解決してくれる文言すら見つけられないではないか。こんな好い加減な第三極政党が雨後の筍のように乱立したところで、所詮政治ごっことしか思えない。虚しいだけである。
それに引き換え、今晩観たBS朝日の旅の2時間番組「常盤貴子・本と旅するポルトガル」が良かった。きつい女性のイメージが強い女優・常盤貴子が可愛らしく映り、三島由紀夫と檀一雄のポルトガルに関するエッセイを読み、現地を旅しながら印象を突合せする趣向で、長時間の旅番組であるにも拘わらず終始飽きさせることがなかった。首都リスボンでローマ少年遣欧使節団やフランシスコ・ザビエルら日本とポルトガルとの関わりに触れ、その後シントラ、ポルトを訪ね、ユーラシア大陸最西端のロカ岬では檀一雄所縁のバー、旧住居、檀の石碑、旧知人を訪れ、彼らと檀の思い出話に耽る。私自身も訪れたところなので、思い起こして懐かしく感じた。