6725.2025年10月11日(土) ノーベル平和賞は、トランプ大統領ではなかった。

 昨日今年のノーベル平和賞受賞者が決まった。地球最高のお騒がせ人のトランプ大統領が、最近しきりに自らを受賞者として売り込み、自分は「平和の構築者」であると自任し、自分こそが授賞すべきだと言及し、しきりにノーベル賞平和委員会にアピールしていた。

 結果として平和賞受賞者は、ベネズエラの野党指導者で、独裁者マドゥロ大統領の政敵マリア・コリナ・マチャド氏に決まった。トランプ大統領は、自ら7つの戦争を解決させたと自画自尊し、ぎりぎりにガザ地区の戦闘を停戦に合意させたと功績を誇りにしていたが、ノーベル賞は頭上を飛び越えて中米のベネズエラへ飛んで行ってしまった。トランプカラー一色のホワイトハウスの広報部長は、「ノーベル委員会は平和よりも政治を優先している」と嫌味を述べている状態で、およそ国際政治の舞台で行動する大統領を支える立場を弁えず、結果的に評価を貶める効果になっている。トランプ大統領は、2009年に就任直後に平和賞を受賞したオバマ元大統領の行動と実績に対しても露骨に論っている。

 平和賞が、平和をぶちこわす言動とならないことを希望するものである。

 ついては、「平和」、「平和」と世界的に平和が望まれているのだが、こんな「平和騒動」もある。先月逮捕された韓国の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁が、昨日政治資金法違反などの罪で起訴された。韓総裁は、尹前大統領夫人へ高級品を贈るなどした罪で起訴されたものである。旧統一教会の日本国内における影響はかなり大きく、日本人信者からの多額の献金と物品を販売する霊感商法が、主たる収入源である。一説には、世界における活動資金の約7割が日本からの送金だったと言われている。個人資産を統一教会に寄贈して、残された家族が生活に窮する状態がいくつも問題となっていた。安倍晋三元首相が2年前に狙撃され亡くなったのも、旧統一教会と安倍元首相が親しく交流していたことから、家庭を壊したと信者の息子が逆恨みで元首相を狙撃したものである。日本国内の旧統一教会は、今年3月に東京地検から解散命令が出された。これに対して旧統一教会は、即時抗告しているが、いずれ破産が確定するのではないかと考えている。現在全国で約9万人の信者がいて、運営資金の多くを日本に頼っている。今ではほとんどいないようだが、以前は安倍元首相をはじめとして、多くの自民党国会議員らが旧統一教会と関係を持っていた。

 昨日韓総裁が起訴されたことが、案外メディアで大きく報道されないが、安倍元首相の銃撃事件直後からしばらくの間は、随分派手に伝えられていた。ニュース・バリューが減じたのだろうか。即時抗告した1件に片が付いた時には、再び派手に報道されることだろう。

2025年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com