6718.2025年10月4日(土) 初の女性自民党総裁に高市早苗氏

 先月22日に告示された自民党の新しい総裁を選出する総裁選は今日投開票が行われ、決選投票の末、意外にも最有力候補者だった小泉進次郎・農水相ではなく、二番手の高市早苗・元経済安全保障相が女性として初めて総裁に選出された。

 第1回の投票で高市氏は1位だったが、議員票は64票で、小泉氏の80票に及ばなかった。いずれにせよ5人の候補者の内過半数を得た候補者はおらず、決選投票になった。結果は議員票を大幅に伸ばした高市氏が、都道府県連票でも小泉氏を圧倒して、トータルで高市氏185票、小泉氏156票と言う結果となった。若いが物事をはっきり言い、行動的な小泉氏が当選するだろうと考えていたので、意外感と同時に失望も感じている。

 今回の総裁選では、高市氏は右翼的体質を極力抑えて対中国問題や靖国神社参拝に関する発言を控えていたが、実際にこれから国会の首班選挙で新首相に選出されたら中国や韓国はかなり神経質になるだろうし、いつもニコニコしている印象を与えているが、作り笑いであまり好感の持てるスマイルではない。

 世界でも女性首脳の数が増えている時に、外交の場で高石首相は温かく迎えられるだろう。日本国内でも初の女性首相として女性の評価を高め、男女平等の観点からも歓迎されると思う。しかし、以前から気になっていたのは、彼女の本心が徹底した右翼、極右であり、現行憲法改正論者であり、自衛隊内部、特に防衛省の制服組の間でも、高石氏が首相に選出された場合「台湾有事が現実になる」と懸念されているほどである。

 橋下徹弁護士が高市氏の言動について批判していた。昨年の総裁選の際にも首相になった場合に靖国神社参拝について曖昧な応えしか言わなかった。今回首相になることが濃厚になって、そのまま靖国神社参拝発言を曖昧にしたり、普段は参拝しないと言いながら参拝したらウソをついたことになり、民主国家の政治家としては、許されないと手厳しく指摘している。

 高石氏がなぜ強力な保守・右翼なのか、私にもよく分からない。戦争の現場に漂う空気を知らずして、どうして国土防衛とは言え、平和憲法を改正してまで戦争に前向きなのか理解に苦しむ。これでは中国、韓国、北朝鮮など周辺諸国が警戒心を高めるのも無理はない。

 15日に招集される臨時国会で、新首相として正式に認められてから、公的に活動を開始するが、28日には来日するトランプ大統領のような厄介者と初めて首脳会談をしなければならない。強引なトランプ氏と対等に交渉し、思っていることを堂々と主張することが出来るだろうか。北欧やニュージーランド、イタリア、メキシコなど世界で女性首脳が次々に登場している中で、ロシア、中国は論外としても先進7カ国の中ではアメリカだけが未だに女性大統領が誕生していない。トランプ氏は高市氏に会った時、どう感じるだろうか。

2025年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com