一昨日新党「日本未来の党」が結成されたが、これは「卒原発」とか「脱原発」とか、要するに原発稼動をやめるということを「錦の御旗」に、この指止まれとばかりに第三極を結集しようとのひとつのプロパガンダ的動きである。そこへ最近存在感が薄くなっていた「国民の生活が第一」が積極的に合流し、他にも「脱原発」の一点で合流を模索している集団がある。
来月4日の総選挙告示を控えて慌しい動きであるが、あまりにも短兵急にことを進めている様子から察するに、「日本未来の党」嘉田代表も表向きは、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表を役職に就けないと語っているが、果たしてどうだろうか。党内で圧倒的な勢力を占め、百戦錬磨で選挙上手の小沢氏をないがしろにする形で総選挙も党内結束も順調に行くのだろうか。現時点ではともかく、総選挙後に波風を立てずにうまく話し合って行けるのだろうか。今のところ小沢氏は沈黙を守っているが、小沢氏周辺はいずれ出番が来るだろうから、それまで出過ぎた行動を差し控えていようとの自制があるのではないかと勘ぐらざるを得ないところだ。これから他のグループの合流も考えると、あと半月の間に合従連合、付和雷同などが激しくなり、今までとは少し違った選挙戦になるような気がしている。
それにしてもひとつ気になっていることがある。今度の嘉田滋賀県知事ばかりでなく、橋下大阪市長、松井大阪府知事など、都知事を辞めた石原氏は別にして現職の地方自治体の長が、総選挙の台風の目になっているが、全国に遊説に走って本職の首長の業務は大丈夫なのか気になるところである。
今朝の日経紙の世論調査によると、支持政党ではトップは自民党23%、次いで「日本維新の会」15%、民主党は三番人気で13%だそうだ。まだできたばかりで不安定な「日本未来の党」は、旧世帯の集団を集めると5%ほどになり、公明党とみんなの党のそれぞれ4%を追い抜くことになり、このまま伸びれば声強き党になるのではないだろうか。それにしても、「脱原発」だけでは投票しようにも判断材料が少なすぎるのではないかと思う。
今日総選挙と同じ投票日の東京都知事選が告示された。都知事選も多くの候補者が立ち、選挙戦がどうなるのかちょっと判断がつかない。石原前都知事の辞任があまりにも唐突だったため、候補者自身も心の準備ができていなかったようだ。こちらは国政と違って争点は新銀行東京の扱い、五輪招致、行政改革などだが、東京も予算規模としては韓国やノルウェイに匹敵する規模で、それがため両国の大統領と同じ権限を持っていると勘違いする御仁がいるようだ。
今度の知事選では、これまでの石原前知事が80歳という高齢だったせいもあろうが、9人の候補者がややお歳を召していることが、厳しい問題を抱える都政を担っていくうえでかなり健康上の負担になるのではないかとの心配がある。3人の高齢候補、84歳の中松義郎氏を筆頭に、77歳の笹川尭氏、76歳の元ネパール大使・吉田重信氏、そして伯仲するであろう猪瀬直樹・元副知事66歳、弁護士・宇都宮健児氏66歳、松沢成文・前神奈川県知事54歳の有力3候補と、3人の泡沫候補、81歳、64歳と46歳で、平均何と68.2歳である。在職中に70歳を超える。激職の割りには、少々年老いていないだろうか。
ちょうどこのブログを書いていた夜9時少し前、総選挙に関して投票行動のアンケート調査に協力を求める電話があった。地元選挙区の候補者名、比例代表区の党名、投票に行くか行かないか、年齢・性別などについて録音による無機質な協力要請だった。まだ考えがまとまっていない中で多少中途半端に応えてしまったかも知れない。
これから選挙ムードが高まってくるにつれて世間も騒然としてくるだろう。しかし、これは一国民として受け止め、応えなければならないことだと思う。