2027.2012年11月30日(金) 山崎洋さんの講演を聞く。

 日本セルビア交流130周年記念行事「日本とセルビアの交流についての講演会」が、日本セルビア協会主催・在日セルビア共和国大使館後援により学習院女子大で開催された。ゲスト・スピーカーは山崎洋さんだ。先週渋谷で会った時、ぜひ出席するよう依頼されたので、ゼミの仲間3人と高田馬場駅で待ち合わせ、初めて学習院女子大へ向かった。暗くなったので、キャンパスの情景はよく分からなかったが、それでも女子大としては中々良い環境で、建物も新しい。

 山崎さんに先立ち日本セルビア協会会長で三井物産戦略研究所特別顧問の都甲岳洋・元ロシア大使が15分間前座講演を行った。都甲氏は元外交官らしく日本とセルビアの公式外交関係について歴史を遡って話された。1882年3月10日ミラン一世オブレノヴィッチ王が明治天皇に書簡を出し、明治天皇から返書が届いたことで国交が始まった。あまり知られていないが、2007年今上天皇誕生日を祝して、セルビアで「初日」と題された記念切手と封筒が発売されたことについても話された。

 山崎さんの講演テーマは「私の日本・セルビア文化交流史」で、大学卒業後渡った旧ユーゴにおける翻訳家人生と父・ブーケリッチ氏のポリティカ紙への送稿文をユーモアたっぷりに解説してくれた。特に、翻訳家として先輩の故田中一生氏について述べたことが印象的だった。山崎さんは田中氏との共訳著書が多い。田中氏の人間性、能力、心構えなどに惹きつけられたと敬愛の念を込めて語っていた。今岩波文庫で発行するべく話を進めているセルビアの抒情詩人ニェゴシュの著書「山の花環」について、生前田中氏に文庫本として上梓すると約束したと話していたが、山崎さんが岩波文庫本に拘っていた気持ちが何となく分ったような気がした。

 9日に西国分寺でコンサートを開くセルビア在住のヴァイオリニスト豊嶋めぐみさんも会場へ来られて、山崎さんから紹介された。

2012年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com