6707.2025年9月23日(火) 朝日新聞発行5万号に沿った写真特集

 毎日暑かったが、今日漸く秋のお彼岸を迎えた。秋分の日であり、国民の祝日である。昔は「旗日」とも呼んで、各家屋の門や玄関などの入口に国旗「日の丸」を掲げて祝ったものである。ところが、この数年旗日になっても日の丸を掲げている家が少ない。極端に減った。今日もウォーキングで40分ほど近所を歩いたが、日の丸が見える家はたったの1軒だけだった。そう申す我が家でも近年日の丸を掲げることはなくなった。皆祝日を祝う気持ちがないのか、愛国心が消えたのだろうか。

 お彼岸は季節の変わり目でもある。これからしばらくは暑い日もあるようだが、晩秋から一足飛びに厳冬期に飛び込むようだからよほど用心しないといけない。今日の都内の最高気温は、昨日と同じ26℃だったので、夏日ではあるが、割合過ごしやすかった。

 さて、昨日の朝日新聞夕刊に、1888年に創刊された朝日新聞東京本社版発行5万号を記念する、何と新聞サイズの40頁から成る「朝日新聞写真館since 1904」と題するラジオ・テレビ欄付き写真綴りが付録として配達された。歴史を振り返るようで中々興味深い。早速目を通してみると、2頁の「罵声・社訓唱和・・・働けど働けど」と題して経済成長期1969年から90年までのサラリーマンのモーレツ社員ぶりが紹介されている。その中の1枚に、国鉄荻窪駅の朝のラッシュ時における通勤電車内の混み具合が写っている。私も鉄道会社新入社員時代に見習い駅員として朝のラッシュ・アワーにプラット・フォームで、乗客を電車内に詰め込むよう彼らの背を車内へ押し込んだ経験がある。杞憂に終わったが、あの当時これからこのようなラッシュ・アワーが更に激しくなるのだろうかと心配したものである。その他に2頁の下段に掲載された1955年6月1日の「今晩のラジオ」欄に興味を惹かれた。特に2つの点で関心を抱いた。

 ひとつは、ニッポン放送の歌謡番組に懐かしい懐メロ歌手の名前を発見したからである。懐メロ歌手とは、岡晴夫、平野愛子、越路吹雪、ペギー葉山らで今以て彼らが唄ったメロディーが口をついて出て来る。2つ目は、文化放送の夜10時から11時までを英文法と国語「現代文」にそれぞれ30分をかけて受験講座を放送していたことである。当時高校生で受験勉強に取り組み出したころのことである。あれから受験戦争がエスカレートして、一時1日4時間の睡眠なら合格するが、5時間も眠るようでは不合格だとする「四当五落」と言うふざけたような言葉が流行ったものである。また、終戦直後からしばらくの間、「戦後復興の陰で」と題して兵庫県芦屋市内に大量に放置された土管の中に住んでいた家族や、横浜市が用意した船上の休憩場に寝泊まりしていた日雇い労働者の写真が、何となく似たような光景を見たことを想い出し、切なさと寂しさが募って来る。

 ただ、この写真特集で朝日らしさが見られないと思ったのが、リベラルな朝日としては意外にも60年安保闘争や、ベトナム反戦運動などがどこにも載っていないことである。唯一関連のある1969年の新宿西口の地下広場で「べ平連」が主催したフォークゲリラくらいであろう。また、残念ながら戦前の写真が1枚も掲載されていなかった。朝日にとって痛恨の反省である、軍部の圧力に屈して軍部の言うままに持論を殺して記事を欠かされた悔恨があるからだろうか。

2025年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com