セルビアで活躍しているヴァイオリニスト・豊嶋めぐみさんのコンサートが西国分寺駅前の「いずみホール」で開かれた。山崎洋さんから大分前に鑑賞するよう勧められていたので、楽しみにしてゼミの仲間にも声をかけたところ、ゼミ関係で4人が来てくれた。
今日のコンサートは、「セルビア・日本友好130年」「信時潔生誕125年」「東日本復興支援コンサート」と欲張った看板を掲げ、冒頭山崎さんが今回のコンサート開催主旨と経緯について説明をし、豊嶋さんのセルビアにおける活動ぶりを紹介した。その後列席されたボヤナ・アダモヴィッチ・ドラーゴヴィッチ駐日セルビア大使が挨拶された。今回は国分寺に所縁の深い信時潔の曲とセルビアの作曲家の曲、それにモーツアルトとブラームスのピアノとヴァイオリンのためのソナタを演奏された。
前回は信時作曲の名曲「海ゆかば」を聴いたが、今日はそれはなしというので、山崎さんに尋ねたら口を濁していたので、未だに「海ゆかば」を戦争協力曲とみている人たちのことを配慮したのだろうか、とつい余計なことを考えてしまう。歌詞は大伴家持だし、格調高いリズムもメロディだって決して戦争賛美の曲とは思えず、荘厳で素晴らしい曲だと思うのだが、なぜかそう受け取られるのは至極残念である。その代わりと言ってはこじつけのようだが、アンコール曲として2曲演奏することになった。そのひとつはこれも信時潔作曲による母校・慶応義塾塾歌である。豊嶋さんが舞台上から国分寺三田会の会員は舞台に上がって合唱して欲しいとお願いしたところ、何とかつての慶應ボーイがぞろぞろと老いも若きも舞台へ上がった。その数30人もいたのには驚いた。われわれ飯田ゼミ生は座席で声高らかに唱和して久しぶりに塾歌を歌う興奮を味わった。国分寺三田会の統率力の執れたまとまりの良さには脱帽である。コンサート終了が、9時半になってしまったので、誘われた打ち上げ小パーティを遠慮しようとしたところ、山崎さんからぜひ参加して欲しいという希望もあり、途中まで赤松さんと長谷川さんとともに心温まるパーティに参加させてもらった。
途中で今日演奏されたヴァイオリニスト豊嶋めぐみさん、ピアニスト岩井美子さん、それに友情出演されたヴァイオリニスト山室牧子さんが合流され、華やかな雰囲気となった。最初豊嶋さんは山崎さんに好きな作曲家・信時潔が作った慶應塾歌の楽譜を探してくれるよう頼み、山崎さんから私に依頼があった。直ちに私から赤松さんにお願いして彼のコネで楽譜とCDをゲットして逆送りに届けた経緯があったので、豊嶋さんからこの場でお礼を言われた。ともかく今日の催しは、最初の楽譜探しに始まり、3月のベオグラードの演奏会、そして今日のコンサートと小パーティにいたるまで一連の充実した楽しいイベントとなった。
山崎さんは明後日ベオグラードへ帰ると言っていたが、残る課題は岩波文庫本の出版だ。彼はまだ時間はあると言っていたが、最後の手段は出版費用として寄付を募ることではないかという点で考えが一致した。
山崎さんには開演前に昨晩小中陽太郎さんから署名入り著書「翔べよ 源内」を預かったので、それを手渡しした。