6664.2025年8月11日(月) スポーツ界の悲しく暗い出来事

 昨日スポーツ界における悲しく寂しいニュースがいくつかあった。

 そのひとつは、サッカー界のスターだった釜本邦茂氏が亡くなられたことである。新聞では死因は肺炎と書かれていたが、実は喉頭がんで何度か手術をされていたらしい。現役時代はチームのエースとして活躍し、メキシコ五輪ではひとりで7得点を挙げ得点王となり、日本サッカー界初のメダル獲得(銅)に貢献した。Jリーグが発足して30年になったが、歴代の選手の中で抜きんでた成績を残している。日本代表として75得点を挙げたが、これは2位の三浦知良選手の55点を圧倒し、Jリーグの通算得点も202点で、確井博行選手の85点、Jリーグ得点王獲得も7回でこれも確井博行選手ら8選手の2回に大差をつけている。サッカー界もその後中田英壽選手や、本田圭佑選手らのように海外で活躍する優秀な選手を輩出したが、釜本選手は「100年経っても出て来ない選手」と言われたほどの逸材だった。

 次いで寂しい異色な事件は、現在阪神甲子園球場で開催中の全国高校野球大会で3回戦へ進出している広島県代表・広陵高校野球部が、部内の暴力事案をめぐり出場を辞退することになり、3回戦は相手校の津田学園が不戦勝と決まった。暴力事件は今年1月に発覚し学校側から県高野連を通して日本高野連に報告された。すでに高野連からは3月に1か月間の対外試合中止を言い渡され処分済であるが、その後2年前の別の暴行事件がSNSなどで伝えられ、拡散して学校として調査したが、詳細が判明せず、そのままにしておいた。それがここへ来て再びSNS発信などで騒ぎが大きくなり、学校側としても放置できず、出場中止を決定した。大会開催中の突然の中止という初めての決定に相手校も当惑したであろうが、全般的にあまりすっきりした対応ではなかった。野球部員は昨日バスで帰郷したが、折角の甲子園の思い出が、汚れた記憶となってしまった選手らの気持ちを考えると気の毒でならない。

 3番目の話題は、今では往年のような爆発的な人気がなくなったプロ・ボクシング界の衝撃的な出来事である。今月2日に日本ライト級挑戦者決定戦に出た浦川大将選手が8回TKOで敗れ、その場からすぐ病院へ搬送され開頭手術を受けたが、9日亡くなった。また同じ日に東洋太平洋フェザー級タイトルマッチに挑戦した神足茂利選手は、12回戦を引き分けたが、試合後搬送された病院で8日に急性硬膜下血腫で死亡した。同じ日の2試合に出場した選手がいずれも死亡したことに、日本ボクシング・コミッションでも衝撃を受けている。同じような事故の防止策は中々難しいのだろうが、頭部を思いきって殴打する競技であるだけに、事故は今後も発生する可能性がある。少しでも危険のない試合が出来るよう知恵を絞って欲しいと思う。

 スポーツは、本来明るく、元気を売り物にする健康的なものであり、釜本選手の逝去はやむを得ないが、上記の事象はあまり耳にしたくない情報である。今後どうやってこの種の事件を減らすべきか関係者は知恵を絞るべきであろう。

2025年8月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com