6661.2025年8月8日(金) アメリカで原爆投下賛同者減少傾向

 明日は、一昨日の広島原爆投下と同じく長崎の原爆投下80周年の日に当たる。このところアメリカの行動、或いはトランプ大統領の言動が相手の気持ちに不快な印象を与えることが目立つようになった。

 今朝ワシントンからの速報とのことで、先日日米貿易交渉で合意した関税問題が日米の受け取り方が異なっていたということから、担当の赤澤亮正・経済担当相が訪米し、アメリカ側の担当閣僚と話し合った結果、日米両国の間に齟齬があって日本側の理解していた線で合意するという結論に収まった。国家間の外交交渉で話が食い違っていたなど、あまり例のない話である。日本としては、トランプ大統領のX発信に疑問を感じて、早急に行動を起こし、担当相がアメリカ政府に問い質すなど、今までに見られない迅速な行動は評価するべきであろうが、そもそも合意書を交わしていなかったこと自体がトラブルの端緒である。留意すべきことだろう。

 そして、原爆投下に絡んで明日の長崎市の平和記念式典に際して、先日はしなくも露呈されたトランプ大統領の原爆投下による戦争終結論に対して、日本国内から強い非難の声が上がったのは当然として、長崎でもそんな話が出ないか気になる。アメリカ人は、トランプ氏と同じように原爆投下が終戦に効果的だったという身勝手な発言を理解し、支持しているのかという懸念である。

 昨日の朝日朝刊にアメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が、7月末に「日本への原爆投下に関する米国人の意識」として、原爆使用について米国の成人を対象にした調査結果を発表した。これまでこの種の調査結果はまったく知らなかった。これによると「正当だった」とした人は、35%であるのに対して「正当でなかった」と答えた人は31%でほぼ同じようなものだった。ところが、男性は正当派が半数を超える51%であるのに対して、女性は20%である。特に、注目したいのは、若い人ほど「正当ではなかった」という数値が出たことである。例えば、「正当でなかった」と答えた人は、65歳以上で20%だったが、若くなるにつれて50~64歳=27%、30~49歳=34%、18~29歳=44%となり29歳以下では「正当でなかった」が「正当だった」を超えたことである。これは、政党支持者間でも大きな違いが見られ、共和党支持者は「正当でなかった」20%より、「正当だった」51%が大きく上回ったが、民主党支持者には「正当でなかった」は42%もいたのに対して、「正当だった」は23%にしか過ぎなかった。

 これを見て大分ホッとした。アメリカ人もトランプ支持者で年長者らは、広島、長崎への原爆投下を容認しているが、民主的で若いアメリカ人は、概してそうではなかったことをアメリカ側の調査によって知ったことである。

 この調査と同時に、核兵器の開発が世界とアメリカを「安全にしたのか」という点についても訊ねた結果、「世界が安全になった」は、僅か10%に留まり、「安全でなくなった」は69%に上がった。また、アメリカについては「安全になった」は26%、「安全でなくなった」は47%だった。

 原爆投下80年が経過したが、この間核兵器の開発が進行しても原爆の使用については、本音としては賛成者が少ないことや、核開発が有効ではないと理解する人が多いことを知り、一安心である。

2025年8月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com