2038.2012年12月11日(火) 敦賀原発に廃炉の結論を下すのか。

 昨日原子力規制委員会では、「日本原子力発電敦賀原発の2号機建屋の直下に活断層がある可能性が高い」と全委員の判断が一致し、田中俊一委員長も「今のままでは再稼動の安全審査はとてもできない」と述べて、敦賀原発は廃炉となる公算が大きくなった。

 国の指針では原子炉の建屋など安全上、重要な施設を活断層の真上に建てることは認めていない。大飯原発に始まった原発の断層調査で、規制委員会がほぼ活断層と判定するのはこの敦賀が初めてである。

 敦賀原発1号機はすでに稼動して42年が経過した。規制委は40年以上の原発は原則として再稼動を認めない方針を示してきた。活断層の上にある2号機もすでに稼動から25年が経った。これも再稼動が難しくなった。増設の計画があった3号機と4号機の可能性も薄れてきた。

 規制委は引き続き東北電力東通原発、北陸電力志賀原発の敷地内を調査する。今回の調査結果は明らかにクロと判定され、再稼動への道は閉ざされたように思えるが、これは科学的な判断である。実際に廃炉となるかどうかは、事業者である日本原子力発電の決断であるが、日本原子力発電そのものの経営にも影が忍び寄っている現実を考えると、同社がすんなり廃炉を受け入れるとも思えない。実際、昨日の規制委の結論に対しても、同社は受け入れがたいと同社独自の追加調査を行うという。しかし、それ以上に最終的な結論は、国のこれからのエネルギー政策によって導き出されるべきであると思う。

 いま衆議院総選挙でエネルギー及び原子力政策は大きな争点のひとつになっているが、あまり突っ込んだ議論が戦わされている様子が見られない。告示直前になって再稼動容認から正反対の脱原発へ転向するなど、確たる信念で活動しているのか怪しい政党もある。それぞれの政党が脱原発へ向けたスケジュール表をきちんと示してくれないことが一番困る。

 果たして総選挙を制した次の政権政党はいかなる道筋をつけて脱原発、或いは悪くすると再稼動の道筋を示すのだろうか。注目してみてみたい。

 さて、急に冷え込んできて各地に大雪をもたらしているが、ご他聞に漏れず昨晩山岳地帯にもドカ雪が降った。昨日から今日にかけて3件の遭難騒ぎがあった。そのひとつが、南アルプス・仙丈岳で遭難した53歳と47歳の兄弟のケースである。私自身、かつて山男として仙丈岳には夏1回と冬2回ばかり登山企画を立て現地へ赴いたが、冬は北澤峠近辺でテントを設営して雪上訓練をするのが目的で、最初から頂上を極める予定はなかった。雪山の仙丈岳はそう簡単に征服できる山ではない。この時の写真が私のホームページのトップに掲出してある。夏山では仙丈岳と甲斐駒ケ岳に登頂したが、中央線車窓から見える美しい山容の駒ケ岳に比べて、仙丈岳は見え難く標高も3033mの高さを誇り、長い歩行の末に漸く辿り着くことができる懐の深い山だ。一旦奥まで入ったら中々捜索するのも難しいような気がする。現時点で一人は心肺停止状態で、もう一人は行方不明のようだ。無事でおられることをお祈りしたい。

2012年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com