昼日中からびっくりするようなニュースが2つも飛び込んできた。そのひとつは、北朝鮮のミサイル発射である。昨日はミサイル発射台が解体され発射日時は延期されたとまことしやかに伝えられたが、今朝9時49分ごろ抜き打ち的にミサイルは発射された。唖然とするばかりである。この一両日ミサイル発射が延期される理由とか、発射できないことに対する影響とか、専門家があれやこれやと述べていたが、したたかな北朝鮮はそんな風評をあざ笑うかのごとく打ち上げて成功を収めた、と朝鮮中央テレビの笑わぬアナウンサーが得意気に発表した。同時に詳しい事情を知らない一般の北朝鮮国民はただ無邪気に喜んでいる。中には北朝鮮国内でも、ミサイル1発を打ち上げる費用が国民の3年間の食料費に該当するというとんでもない無駄使いを嘆く国民もいる。こんなアンバランスな収支勘定が、苦しい国の財政を一層追い詰めていることに、国のトップ、つまり共産党指導部は些かの良心の呵責をも感じないものだろうか。
日本国内に流された一連のミサイル情報は、ほとんど韓国の有力メディアが伝えたものであったが、今回ばかりは北朝鮮のだまし討ちにしてやられたという感じである。
日本はそれらの情報に惑わされることなく警戒をして、早めに発射をキャッチしたが、韓国はもちろん、アメリカも警戒を緩めていたために素早く対応することができなかった。
日本政府は当然のように各国と連携して北朝鮮へ厳しい制裁的対応を迫ると公式発言したが、これだって日米間と中国では思惑も異なり、どこまで北朝鮮を追い詰めることができるだろうか。国連安保理は緊急会合を召集し、国連決議違反について北朝鮮に対し新たな制裁を発動する意向だ。
もうひとつのびっくりニュースは、先日からメディアを騒がせたままの、兵庫県尼崎市内の連続殺人遺体遺棄事件の容疑者として逮捕されている主犯格の角田美代子が、今朝兵庫県警本部留置所内で横になりながら自分で首を絞め自殺したことである。警察は落ち度はないと言っているが、こんなに簡単に凶悪犯人を自殺させてしまって本当にそう思っているのだろうか。しかも独房が満員で、角田容疑者は3人部屋に他の容疑者と同居していた。そんな中で自殺が可能なのかどうか、検証を待たねばなるまい。それにしてもあまりにも隙だらけの監視ではないだろうか。ましてや、弁護士には死にたいと度々漏らしていたとすれば、なぜもっと厳しい監視体制が取れなかったのだろうか。遺族も警察の無警戒ぶりを非難している。最近警察のたるみ事故が頻発しているが、これだってお粗末としか言いようがない。
さて、昨日南アルプス・仙丈岳で遭難した2人兄弟は、結局2人とも亡くなられた。大きなニュースであるが、これも北朝鮮のミサイル発射と角田美代子容疑者の兵庫県警本部留置場内の自殺のビッグ・ニュースに掻き消されてしまった。
今日は2つの忘年会を梯子したが、いよいよ年の瀬も迫ってきた。