国際社会の中で、これほど信義に反するような行為を平然と犯すような国はそうざらにはあるまい。その最たる国家が、昨日長距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮である。驚いたのは、世界中の人々が憂慮する気持ちを逆なでするかの如く、当初の予定変更に逆らって突如決行した判断の背景にある事実である。今日の夕刊各紙に掲載された北朝鮮軍関係者の談話には驚かされた。発射は予定通りだと述べたうえで、発射予告期間を延長したことについては、警戒を強める日米韓を欺く狙いがあったからだと悪びれずに主張したそうだから、呆れ果てた心情である。国連安保理でも北朝鮮を安保理決議違反として非難している行為を正当化し、憂慮する外国の気持ちを弄ぶかのように決行し、独断的パフォーマンスを国威発揚に利用し、関わった関係者を表彰し、成功のご褒美を授与するそうである。とてもまともな神経の国とは思えない。日本ばかりでなく、他の国々は今後もこの国とどうやって付き合っていくのか。暴走する馬鹿につける薬はない。
さて、あと3日後に迫ってきた衆議院議員総選挙と都知事選挙への関心が急速に高まってきた。新聞各紙やNHK、週刊誌でもそれぞれ党派別議席獲得予想を行っている。最新の「週刊現代」2週合併号では一般的に予測されている傾向とそれほど変わらないが、そのドラスチックな予想にはここまで決めつけるのかと思えるほど赤裸々な数値である。
予想が当るかどうかは、3日後に冷厳な結果が出るが、「週刊現代」では現在第1党の民主党が233から83へ現在の約1/3に落とし、その逆に自民党が118から282へ大幅に議席数を伸ばし、過半数を上回る圧勝である。民主党では菅直人・前首相、仙谷由人・党副代表、藤村修・官房長官、田中真紀子・文科相、海江田万里・元経産相、小宮山洋子・厚労相ら並み居る大物が当落線上どころか皆危ない。
しかし、よく考えてみると、3年前の前回選挙で過半数を制して政権交代を果たした民主党が、メディアの予想通り無様に敗退して、政権を明け渡すようなドラスチックな政権交代劇が起きようとは想像もしていなかったし、かつてこんなことはなかった。こんなに攻守ところを替えるような派手な交替劇を演じられると、政権公約を決めることもおろそかになるのではないかと心配である。
第3極の中でも「日本維新の会」と「日本未来の党」が、しのぎを削ると見られていたが、維新が現有勢力8から6倍の48まで議席を伸ばすと見られている一方で、未来は52から大幅に落として僅か15でしかない。こうなると小沢一郎氏の賭けは大失敗ということになるのだろうか。私の見るところ、これにはスタート時点ではともかく、その後嘉田由紀子代表が原発問題で、再稼動容認と脱原発の間を往ったり来りしたブレが大きなマイナスとなっているのではないかと思う。実際「週刊新潮」12月13日号では、嘉田代表の公約を守らない、移り気な性格を武村正義・元知事や国松善次・前知事、滋賀県県政関係者らの言葉を引用して批判している。
どうなるか。前回以上の関心を持たれた総選挙の結果が注目されている。
さて、今日海外にクリスマス・カードを郵送した。今年は僅か7枚で、セルビア、ドイツ、スイス、アメリカ、ブラジル、ビルマ(2人)の友人に宛てたものである。1年の区切りとして彼らからも友情の印として送ってくれる。かつては毎年30枚近く送っていたが、海外へ出かける機会が少なくなったせいで、年々減っている。自分でも寂しく思っている。年賀状は今万年筆で宛名書きの最中だ。これはあまり減ることはなく、例年通り600枚ほど書いている。もう少し頑張ってみよう。