2042.2012年12月15日(土) エスカレートする中国の覇権主義

 北朝鮮のミサイル発射に対して、現在国連安保理が強い制裁を課そうという点では、安保理事国の間で合意が得られているが、常任理事国でいつも米英仏の提案に対して拒否権を発動する北朝鮮の友好国・中国が、いつもと同じように、強い制裁は朝鮮半島に緊張をもたらすとして反対している。そもそもその緊張はどこの国がもたらしたのかという点には、われ関与せずで説明しようとはしない。これで毎度北朝鮮、イラン、シリアに対する国連決議の効力が弱くなっている。世界平和を後退させているのは、最近の中国の野放図な無法国家へのサポートも大きな原因であることを中国は反省すべきである。

 さて、その中国の航空機が一昨日初めて日本の領空を侵犯した。これまでの中国の海洋監視船による尖閣諸島周辺の日本の領海内への立ち入りからエスカレートして、ついに中国国家海洋局は監視船とプロペラ機で我が国の海空領土へ侵入してきたことになる。当然日本は野田首相が中国に対して厳しく抗議しているが、当の中国は意に介さず、中国固有の領土で中国の飛行機が飛ぶのは完全に正常なことだと反論し、挙句には航空自衛隊機を緊急発進させた日本に対して「この海域や空域での違法な行動をやめるよう求める」と盗人猛々しい言い分を主張している。

 この動きに対して、アメリカは中国機が日本の領空内を飛行したことに対して、これまで日中間の問題は両国の話し合いによって解決するべしとして一歩引いた対応をしてきたが、昨日アメリカ国務省のベントレイ報道部長が、尖閣諸島は日米安保条約の適用対象であると中国に懸念を伝えたと明らかにした。紛争になればアメリカが日本と協力して対応するかのニュアンスに微妙に変わったのである。この一歩突っ込んだアメリカの声明によって、今後中国はどういう出方をするか。

 中国共産党系新聞には、日本の自衛隊機発進に対して中国軍機も領空内へ発進させるべきであるとの好戦的な論調も書かれているという。わが国の専門家は、現在総選挙で日本の政治が空白状態にある隙を狙って日本国内の混乱を狙って中国が仕掛けてきたパフォーマンスのひとつだとコメントしている。段々穏やかならぬ空気が漂ってきた。

 さらに、中国は海洋資源の確保拡大を目的に、中国の大陸棚拡張案を国連の大陸棚限界委員会に申請した。東シナ海の中国沿岸から沖縄トラフまで自国の大陸棚であると主張する提案である。これに依れば、中国は沿岸から200海里の排他的経済水域を超え、海底資源の探査・開発などを独占的に行える。当然日本は受け入れる気はないし、恐らく一帯の海洋資源を根こそぎ奪ってしまおうとの中国の意図に対しては、日本以外の周辺諸国、特にフィリピンとベトナムが猛反対をするのは目に見えている。

 覇権国家、中国はどうしてここまで近隣諸国に非友好的な姿勢を取り、国土を広げ、海洋資源をすべて奪わなければ気がすまないのだろうか。欲張りで傲慢な国家である。

 こういう対応をしていると将来に禍根を残すことになるということに、彼らは気がつかないのだろうか。

2012年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com