6633.2025年7月11日(金) 支離滅裂な静岡県伊東市長の言動

 参議院選挙もたけなわであるが、先日来世間を騒がせている伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称問題は、まだ収束されたわけではない。5月の市長選で初めて市長に選出された時の公報には、東洋大学卆と紹介されていたが、事実は大学除籍だった。その間の市長の説明もあやふやで極めて説得力に欠けるものだった。7日の市議会で、市長辞職勧告決議案と地方自治法に基づく百条委員会設置を全会一致で可決した。市長は、辞任して改めて市民に信を問うと市長選に出馬する意向を語ったが、これから終結するまでに市長選の他に裁判沙汰もあり、相当時間がかかるだろう。

 市長の卒業の正否については、市長自身が大学に確認したところ「卒業」ではなく「除籍」だったと判明した。しかし、自分が大学を卒業したかどうかが分からないなんて普通の常識では考えられない。このように自治体の長が自己の経歴、特に学歴を偽る行為は、明らかに公職選挙法に違反し議会の決定とは関係なく、職務を解かれるものである。

 この件に関連して舛添要一・元東京都知事が小池百合子・現知事の学歴詐称について、よほど小池知事に対して腹が立ったのだろうか、SNSで次のように言及した。「伊東市長は学歴詐称で辞職を迫られている。同じことをしても咎められない東京都知事」と小池知事を引き合いに出し、不公平だと漏らした。続く投稿では「小池百合子都知事の学歴詐称について、側近が2020年に不正隠しの裏工作を行ったことを暴露した」ことに言及した。小池氏の学歴詐称疑惑について「カイロ大学を『首席で卒業した』ことについて、40年前に彼女は私に嘘をついた。2018年6月15日の都知事記者会見で、私への説明とは全く異なる説明をした。虚飾の政治家だ」と改めて厳しく訴えた。

 同じことは、タレント 古館伊知郎氏も自身のYou Tubeで、田久保市長の学歴詐称に触れつつ、小池都知事のカイロ大学卒業問題について、元カイロ大学同級生らの証言がありながら、疑惑が消えないまま都知事として活動していることが、おかしいと批判している。伊東市長なら連日徹底的にテレビ番組で批判されながらも、その一方で小池知事に対しては卒業の証拠が明確でないにも拘わらず、メディアが追求しないのは問題であると小池知事の態度と同時に、それを追求、報道しないメディアの姿勢をも非難している。

 今日開かれた伊東市の百条委員会に対して、市の公報担当部長と課長は広報誌作成の際、市長から卒業証書を見せてもらったと証言したことから、1週間後の18日までに市長の卒業証書の提出を求める決議を行った。市長は部下に対して卒業証書のチラ見せをして、2人は見たと証言したのであろうが、大学を卒業していないことがはっきりした今では、この卒業証書とやらがある筈はなく、18日に市長はいかなる返答をするだろうか。

 伊東市民が、市長の学歴詐称などという不祥事について、市民として恥ずかしいと語っていたように、市長はもとより市自体が、日本でも有数の温泉都市・伊東市の不名誉を世間に曝け出すことになった。

 市長や市会議員に立候補する人は、市民のために誠実に市政に取り組む覚悟で、常に自分自身は市民のために貢献しているだろうかと自問自答して、真摯に職務にまい進する気持ちがなければ、最初から立候補なんてするべきではない。伊東市長のスキャンダルによって行政の長はどうあるべきかと言う点について教えてもらったように思う。

2025年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com