6572.2025年5月11日(日) 西田参院議員の虚言撤回とカシミール紛争

 自民党西田昌司・参議院議員が先日沖縄の「ひめゆりの塔」に関して誤認発言をした。西田氏は批判されても発言を撤回しないと語っていたが、一昨日になって自身の発言について不適切だったと謝罪し、発言を撤回すると述べた。

 ここには憂慮すべきことがある。西田氏は当初反論に対して強く抗弁し、絶対に撤回しないと言っていたが、結局自論を引っ込めた。自民党内や、与党を組む公明党からも批判があり、あまりにも抗議と反対が強かったために抗しきれなくなったもので、西田氏の本心は分からない。ただ、警戒しなければならないのは、「ひめゆり平和祈念資料館」館長が、「80年前の過酷な体験を生身で語れる体験者がいなくなる時代に入り、あのような発言が出て来たのではないか」と危惧していたように、実態を知らずして生半可な知識と、持論を都合よく積み上げる知恵によって事実とは異なる発言を行うような風潮である。西田氏が、戦争を知らない世代であるだけに余程危険である。今回は西田論が間違っているとして理解されず、非難されることになったが、同じようなことが今後も保守的、右翼的な人々の間で発言されることがあり得ることを警戒しなければならない。

 さて、数々あるもめごとの中でも、最近突発したインドとパキスタンによるカシミール地方の衝突が、急遽停戦合意に至ったと昨日のニュースで伝えられた。例によってアメリカのトランプ大統領が、停戦合意のために仲介に当たったとSNSに投稿して強調していた。明らかに停戦を自らの手柄、成果としてアピールしているのだ。今朝のサンデーモーニングでは、寺島実郎氏が成果云々については否定していた。ところが、停戦合意後数時間にしてアメリカの仲介を逆なでするようにインド領内で爆発が起きた。インドが実効支配するカシミール地方の主要都市スリナガルとジャンムーの住民は、爆発音が聞こえ、空に閃光が走ったと証言した。インドの外務次官は「ここ数時間、我々が今晩早くに到達した合意に違反する事態が繰り返された」と述べた。同次官は、インド軍は「適切な対応を取っている」と述べ、パキスタンに対し「これらの違反に対処するよう要請する」と呼びかけた。これに対し、パキスタンの外務省報道官は「パキスタンは、本日発表されたパキスタンとインド間の停戦の忠実な履行に引き続き尽力する」と述べ、「インドがいくつかの地域で違反行為を行っているにもかかわらず、我々の部隊は責任と自制心を持って事態に対処している」とも語った。何ともお互いのさや当てのように思える。

 カシミール地方のインド支配地域では、数十年にわたる対立で何千人もの命が奪われている。それだけに両国の対立はそう簡単には収まるまい。ただ、世界中に紛争が蔓延っている今日これ以上民族間で争いが起きるのは止めるよう、世界中が真剣に行動しなければだめだと思う。

2025年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com