6570.2025年5月9日(金) 新しいローマ教皇に、レオ14世

 一昨日「コンクラーベ」第1日目の2度の投票で新ローマ教皇は決まらなかった。昨日も1回目では決まらなかったが、2度目のコンクラーベの結果、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がり、新しい教皇が決まったことが報告された。アメリカ人のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が、133人もの枢機卿の中から第267代ローマ教皇に選出されたのである。新教皇は「レオ14世」と名乗られる。ローマ・カトリック教会の枢機卿たちの間では、どういうわけかアメリカ人を教皇に選ぶことについては警戒感があるとされて来た。アメリカにはカトリック教徒よりプロテスタント教徒の方が2倍も多いせいか、或いはトランプ大統領のようなアクの強いアメリカ人が嫌われたせいだろうか。しかしながら、69歳の新教皇レオ14世は、シカゴ生まれではあるが、約20年間南米ペルーで布教活動に当たり、アメリカ合衆国というより、アメリカ大陸出身者と受け取られ国際的な経験のある人物として、教皇の有力な候補者のひとりと見られていた。

 例によってお調子もののトランプ大統領は、アメリカ人教皇が選ばれたことに単純に光栄だ、感激だ、栄誉だと喜びを隠せないようで、早速SNSに投稿していたが、新教皇はかねてより地球温暖化現象に警戒感を抱いており、トランプ大統領とは考えが異なる。また、トランプ大統領がエルサルバドルのブケレ大統領と話し合い、アメリカ国内の刑務所に収容されていた犯罪組織囚人をエルサルバドルの刑務所に移送させた件について、新教皇はトランプ大統領に批判的だった。

 レオ14世教皇が決まったことにより、最近落ち着かなかったヨーロッパを中心とするキリスト教社会でも平穏な空気が生まれることだろう。この新教皇決定のニュースについて、ウクライナの一時停戦とともにメディアの報道の在り方について一言苦言を呈したいと思う。

 それは、この決定がバチカン大聖堂から教皇レオ14世自身によって最初のメッセージとともに伝えられたのは、日本時間今朝午前1時過ぎだったが、今朝の各テレビ局の朝のニュースではまったく伝えられず、私自身知ったのは、朝10時にネット・ニュースからだった。すでに得た情報がこんなに遅れて伝えられるようでは、メディアとしてニュースの価値があるとは言えないのではないだろうか。

 もうひとつ、ウクライナ戦争について、ロシアはロシアの戦勝記念日に合わせて8日午前0時から3日間停戦に入ったと一方的に伝えていたが、ウクライナの発表によると8日午前3時ころからウクライナ北東部でロシア軍が誘導爆弾による攻撃を行い、死傷者を出した。その後8日正午までにロシア側の停戦違反が734件もあったとウクライナ外相がSNSで公表し、「予想通りロシアの一方的停戦は茶番だということが明かである」と非難した。これについても、ロシアの身勝手な停戦提案とそれを裏切る行為があったにも拘わらず、ウクライナの首脳が公表した以外に、日本のメディアではほとんどこのニュースを伝えなかったのである。

 以上2件について、どうもメディアの報道というのは、元々私自身頭から100%信じてはいないが、これほどのニュースをよくぞ伝えないものだと思うことが結構ある。私が海外を歩き回っていた時に、日本のメディアへ不信感を抱くようになったが、普段の報道でも注意深く見ないと信用出来ない点が多い。

2025年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com