6551.2025年4月20日(日) 復活祭をプーチン大統領が利用するとは?

 日本ではあまり大きな話題にはならないが、キリスト教徒にとって今日は復活祭としてクリスマスと並ぶ記念すべき1日である。キリスト教では、イエス・キリストが十字架にかけられ処刑されてから、3日目に復活したことを記念してこの日を復活祭、イースターと呼んでいる。

 第3次中東戦争直後に訪問して以来45年ぶりとなる2012年再びヨルダンを訪れた。その後初めて陸路イスラエルに入り、パレスチナ自治区も訪れた。そして東エルサレムの「嘆きの壁」を訪れてから、キリストが磔の刑に処せられたゴルゴダの丘にある聖墳墓教会を訪れた。教会内に入ったらちょうど教会内ではミサが行われていて厳粛な気分になった。ここはキリストのお墓でもある。何もかも古い話だと思うとつい軽く考えがちだが、歴史的な裏付けのある話で、イエス・キリストがこのゴルゴダの丘まで約600mのヴィア・ドロローサを十字架を背負って歩かされた末にここにたどり着いた。史実に則っているが、今では狭い商店街のヴィア・ドロローサの両側には小さなストアがびっしり建ち並んでいる。そして、その後パレスチナのベツレヘムにあるキリストが誕生した馬小屋、聖誕教会を訪れた。キリスト教については、あまり知識はないが、それでも観光地化したエルサレムでこのようにキリスト教に関する施設を訪れ見学してみると勉強になるし感慨深いものがある。

 キリスト教国だけにしか、この復活祭には縁がないと思っていたら、あのロシアのプーチン大統領が、昨日ウクライナ戦争を復活祭に合わせて一時的に停戦すると突然宣言した。ロシアと言えば、一応主たる宗教はロシア正教である。トランプ大統領が就任前に自らが大統領になったらウクライナ戦争は即座に停止してみせるとホラを吹いていたが、結局は実現していない。そしてキリスト教信者というより、むしろユダヤ教徒ではないかと思えるトランプ大統領が停戦協議に匙を投げたところへ、ロシア正教のプーチン大統領が復活祭に合わせて30時間の停戦を言い出したのである。復活祭を都合よく利用しているという感じがしなくもない。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、先月仲介案として提案したトランプ大統領の停戦案を拒否したプーチン大統領を信用していないと語っている。ゼレンスキー大統領は、これまでもロシアに対して現在続けている砲撃を止めて真の停戦を求めている。プーチン大統領が復活祭をこれ幸いとした停戦案には、ウクライナばかりでなくアメリカも素直に受け入れることはないだろう。

 その点から考えると日本では一応仏教徒が一番多いわけだが、仏教にはこのような特別な日はない。仏教関係の主たる日としては、お釈迦様が生まれた4月8日をお花まつりと称したり、亡くなった2月15日、仏教誕生のきっかけとなった成道会12月8日があるが、これとて何かのきっかけとするような日ではない。むしろ日本では国民の祝日とか、祭日を当てはめているケースが多いのではないかと思う。

2025年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com