2069.2013年1月11日(金) 安倍政権、経済再生に向け20.2兆円支出

 昨年依頼を受けた「JAPAN NOW観光情報協会」の第84回観光立国セミナーで「世界遺産を旅して~その裏側を探る~」と題して講義した。限られた時間の中で、できるだけ写真を映してリアルな光景を記憶してもらいたいという願いから、パワーポイントにかなり多くの写真を採り入れた。そのせいもあり、1時間40分程度の時間内に一応アブ・シンベル神殿、チチェイン・イッツァやエルサレム、聖誕教会などの伝えたいエピソードをうまく盛り込めたと思っている。反応はまずまずだったように思う。

 驚いたと同時に有難いと思ったのは、小田保中・UEX名誉会長が近藤さんが講師をされるからと仰って、わざわざ病院へ行く途中に会場へ来られて1時間ばかり聴講されたことである。かつてこういう熱心な顧客やファンに支えられて現役時代に大事な仕事を獲得し、やり遂げることができたと思う。また世界遺産を訪れることができたと思っている。有難いことである。

 さて、安倍内閣が2012年度補正予算案に盛り込む緊急経済対策を決定した。現今の不況から抜け出すためのアベノミクスと散々おだてられてすっかりいい気になっていたが、本気でやる気になったのである。安部首相には、経済政策をひねり出すほどの才覚や経済知識があるとはとても思えず、当然取り巻きの経済学者が考え出すことになる。そして、そのブレインらが今日安倍首相の口を介して提案した経済再生策が、何と20.2兆円という途方もない財政出動である。理由はいろいろある。今の経済状況を見れば、止むを得ないとも思う。だが、いくら消費増税を行ったにしてもこんな調子で、後から後から金を注ぎ込んでいたのではとても足りるものではない。その最たるものが公共投資であろう。かつての自民党政権がやっていた旧来のばらまきと同じではないか。先進国の中で最も多いとされる国の借金が益々増え、そのうえ新たな大判振る舞いをして金を出そうとしているのである。

 これからどういう異論や反論がぶつけられるか分らないが、不況脱却を旗印に安易にこれだけ巨額の資金を注ぎ込むのは考えものではないか。

 それにしてもどうもよく分からないのは、小泉政権で経済財政相を務め、行財政改革と財政再建を担った竹中平蔵・慶大教授がブレインとして産業競争力会議の一員となっていながら、どうしてこれほどのばらまきを容認しているのか。安倍政権というのはどうもよく分からない。

2013年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com