毎年楽しみにしている全国大学ラグビー選手権決勝戦が今日国立競技場で行われた。最近はほとんど実戦観戦ではなくテレビ観戦である。
今年は例年とは一味違った顔合わせとなった。昨年まで大学選手権3連覇を成し遂げ、史上初の4連覇を狙う新興・帝京大と、国立大で初めて頂点を目指す筑波大との対戦である。帝京大は秋の対抗戦で筑波大に今季唯一の黒星を喫したために、明大、筑波と並んで3校同率優勝となった。その点で今日は帝京にとってリベンジの戦いとなる。準決勝までの戦いぶりを観ていると、圧倒的な力で勝ち上がってきた帝京大にやや有利のように思える。
今日も伝統校である早慶明に関西の雄・同志社が出場しないせいもあり、どうも観客の入りが芳しくない。今日のスタンドは6~7割の入りだろう。
戦前は筑波大が互角に近い戦いぶりをやってくれると思ったが、キック・オフから試合は前後半を通じてほとんど帝京ペースで進められ、前半22-10、後半17-12で帝京が筑波を降した。ノーサイド直前に筑波が意地の2トライを挙げたが、FWは一人平均約8kgの体重差で帝京が勝り、終始ゲームを支配していた。筑波の攻めがやや単調で、もう少しバックスに展開してボールを散らすよう攻めに工夫を加えられないものかと、少々いらいらしながら観ていた。バックスのライン攻撃は毎度同じパターンで突破を図り、すべて帝京の堅いディフェンス陣に止められていた。FW戦では勝てず、バックス攻撃に活路を見出すべきであるのに、バックスはただパスを廻すだけで待ち受ける帝京守備陣にまんまと捉まっていた。もう少しチェンジ・オブ・ペ-スでパント攻撃ができなかったのだろうか。筑波の拙い試合運びでゲーム自体もつまらない試合になってしまった。もう少し面白く白熱した試合を期待していたが、大学の覇者を決める試合にしてはやや物足りなかった。
それでも攻めまくった帝京大が、巧者筑波大を圧倒し史上初の4連覇を達成した。まずは、帝京大の4連覇を祝福したい。
一方、大相撲1月場所が今日初日を迎えた。一昨年以来不祥事続きで観客の足も遠のいていたようだが、景気の回復のおこぼれもあるのだろうか、幸い今日は東京場所初日としては3年ぶりに「満員御礼」の垂れ幕が下りた。この裏には相撲協会ののっぴきならない覚悟があり、従来の「待ち」から「仕掛け」の気持ちを心がけ、役員とお相撲さんが一体となって人出の多い場所へ自分たちも出かけてPR活動をやった成果が漸く表れたのではないか。
どんな商売でも同じことだが、ついズルを決め込み、手抜きをする。他人任せで自分たちがお客を獲得するのだとの気持ちがないとお客は自然に去ってしまう。国技館にも閑古鳥の前兆が現れ、漸く腰の重いお相撲さん社会も危機感を持ったようだ。まだまだ前途は多難だが、少しでも目を見開き、自分たちの立場とやるべきことを知ったなら、いずれ明るい展望が開けてくるのではないか。
初日は2横綱と4大関すべて勝った。再出発に当って出だしはまずまずではないだろうか。