今日厚生労働省は、生活保護家庭に支給される生活費は夫婦と子どもの多い家族数の多い世帯では、一般低所得世帯の消費支出を上回ると唐突に公表した。確かにちょっとおかしな話である。政府は2013年度予算を編成するに当たり、この不自然な状態を是正するために、生活保護基準額の引き下げを考えている。
大阪市では全国一生活保護世帯が多く、かねがねそういう噂があったが、実際に国レベルの実態が明らかになったわけである。詳細については、私自身充分な資料を持ち合わせていないのでコメントできないが、しばしば言われていたように一所懸命働いても給与が少ないなら、むしろ働かないで自治体から生活保護を受けた方が楽な生活を送れるとの陰の声は聞いていた。確かにこれがどこまで正確かは分からないが、事実とするなら極めて遺憾であり理不尽なことだと思う。
ただ、こういう筋の通らない事態を国はどうして今まで放置していたのかが問題である。デフレで物価が下がっているのに、扶助費の水準をそのままにしておいたことで、この逆転現象は起こるべくして起きたのである。これもまた国の無責任と怠慢によるものである。そのうえで、これはおかしいとばかりにエイヤと扶助費をカットするというのは、役人の怠慢のツケを生活保護者に押し付けているようなものである。現状は確かに是正されなければならないが、役人と政治家にもその責を負わせるべきではないか。
さて、夜になってとんでもないニュースが飛び込んできた。アルジェリアの南部イナメナスでイスラム系武装勢力に日本人5人ほかフランス人らが拘束されたという。そのニュースの最中に、同じアルジェリアで別件の拉致事件が発生したとのニュースも入った。前者は、日本のプラント建設企業・日揮㈱の現地社員で現在その行方は分らないようだ。もう一つの事件はイギリスのBP社(British Petroleum)のイギリス人、アメリカ人、ノルウェイ人らでこちらも行方が分らない。事件が起きたひとつの原因は、一昨日辺りからアルジェリアの南隣国マリでフランス軍がイスラム系武装組織を空爆したことが深く関係していると言われている。
まだ、詳しいことは分らないようで明日以降にもっと正確な情報が入るだろう。いずれにせよ、海外で働く日本人は年々増えており、治安の不安定な所では、今やいつ襲われるか分らない危険な状態にある。