6468.2025年1月27日(月) 世界に戦争と対立はあるが、真の平和と反省はない。

 日本国内ではそれほどザワついた空気が流れていないが、海外では各地で騒がしい騒乱状態のところがかなりある。現実的にも、歴史的にもドキッと胸を刺されるような事象が発生している。

 まず、お隣の韓国では先日史上初めて大統領として逮捕された尹錫悦大統領が、昨日内乱の首謀者として起訴された。尹大統領は拘束期間の延長を認められなかった検察により、大統領の供述を得られないまま起訴された。大統領としては内乱をまったく考えておらず、巨大野党の議会独裁に国政が麻痺しているとして、軍人や警察に命じて国会に動員して国会議員や、彼らの関係者の拘束を試みようとしたとして検察の主張に反論している。法的な問題もあり、今後収束までにはかなり時間がかかることだろう。

 次に、相変わらず派手な言動で世界中に物議を醸しているアメリカのトランプ大統領の就任後の行動である。冒頭こう発言した。「我々は1週間で他の政権の4年間より多くのことを達成した」、「バイデン政権が作り出した災難をひとつ残らず修復する」である。よくぞこれほど自慢たらしく、先輩たちに敬意を払うこともなく彼らの功績をこき下ろし、自らの自慢話をするものである。

 そして、不法移民の「史上最大の強制送還」と称して、グアテマラには早くも多くの移民を送還したが、昨日コロンビアでは強制送還された不法移民を乗せた軍用機2機の着陸を拒否され、大統領はコロンビアに対して25%の関税や制裁の報復措置を取ると表明した。これがエスカレートして今度は、コロンビア側がアメリカからの輸入品には、50%の関税を課すという有様で騒ぎは広がるばかりである。

 他にもいくつもの荒手がある。カナダとメキシコに25%の関税を課す発言については、正式には来月1日に明確にするということであり、2021年4月の議事堂襲撃事件の参加者ら約1,500人に恩赦を与えて釈放もした。更に、地球温暖化に関係のある気候変動対策の「パリ協定」と、世界保健機関(WHO)から離脱するための大統領令に署名したことである。重戦車トランプ号はブレーキがかからないようだ。

 東欧では、ベラルーシの独裁者ルカシェンコ大統領が、昨日行われた大統領選で驚くことに7選を果たしたが、選挙自体も独裁的で反対勢力を徹底的に排除したものである。大統領の任期は5年間であり、すでに30年も権力を握っている。大体この選挙は、ルカシェンコ大統領が当選するよう仕組まれたもので、投票率は高く85.7%、大統領の得票率は86.82%と常識的にには信じがたい票を獲得した。ロシアのプーチン大統領と気脈を通じており、今後の暴虐ぶりが懸念される。

 一方で、今日はホロコースト(大量虐殺)の象徴と言われるアウシュビッツ収容所が解放されてちょうど80年になる。現地では、生存者、及び遺族が出席して追悼式典が行われた。現場に行かなければ真実は分からないとの信念から、実際に8年前に訪れて見た。悲惨で目を背けたくような光景と多くの悲惨な展示物が見られた。その時、ドイツ人が戦後百万人ものユダヤ人を殺害した罪を反省したのであろうか、イスラエルに対する気遣いと遠慮を何となく感じた。それが、今のイスラエル軍のガザ地区攻撃に強く反対を唱えない理由ではないかと思ったものである。

 原爆投下と同じように、2度と繰り返しませんと誓っても、周囲がその声を無視するのが世界である。出来るならぜひともアウシュビッツを訪れてみることをお薦めしたい。

2025年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com