中国海軍の艦船が海上自衛隊護衛艦に火器管制レーダーを照射した問題について、日本政府が中国に強く抗議したのに対して中国側からまともな返答がなかったが、あれから3日を経過した今日になって、漸く中国国防省が「日本が対外公表した事案の内容は事実に合致しない」と伝えてきた。レーダーに反応して日本が射撃すれば、それを理由に日本の先制攻撃に対して直ちに応戦したから、戦闘の原因は日本側にありと主張する予定が、日本が対応せず、逆にレーダー照射の事実を突きつけられると事実に反すると逆に反論する中国側の言い分は極めて悪質である。あれだけはっきり照射した事実がわかっていながら、レーダー照射については否定する。更に華花蛍・副報道局長に至っては日本のでっち上げと言い、国防省報道局は「一方的に虚偽の状況を発表し、日本政府高官が無責任な発言を行った。『中国脅威論』を煽って国際世論を誤った方向へ導いた」とまで述べ、「中国側は通常の艦載レーダーで警戒を続け、火器管制レーダーは使用していない。事実と異なる」とも付け加えた。よくもまあここまで事実を捻じ曲げて自己主張するものだと、呆れかえるばかりである。
こんな子ども騙しのような論評が受け入れられると思っているとすれば、中国は甘い。3日間に亘って党首脳と軍幹部が額に汗して言い訳を考え、漸く導き出した結論がこれではないか。今更何を言うのかというのが、常識人の見方である。
中国政府はこのまやかし説を反日国論として固め、今後徹底してこの偽りの持論を主張するに違いない。「日本側は中国軍の正常な訓練活動を歪曲し、泥を塗るような事実と異なる発言をしている」とか、「中日の海と空の安全の問題は、日本側が近距離で追尾して監視していることが根源」と、一方的に非難するだけだ。この言葉はわが国がそっくり中国側にお返ししたい言葉である。
どうして中国は外交的にみてこれほど非礼なまでの嘘や虚言を繰り返すのだろう。中国国民の自国政府への不満を逸らし懐柔するため、日本など外国を悪者にするとは度々言われてきたことではあるが、それにしても性質が悪い。
流石に安倍首相は、中国が問題行動をとっていることについては積極的に公表していくと述べ、今回のレーダー照射の事案については国際社会のルール違反で、国際社会に訴えて中国側に圧力をかけると述べた。国際社会に訴えるのは当然であり、国際的な目で公平に事実を判断してもらいたいと思う。決して中国の言いなりにさせてはならないと思う。
中国が反日的な行動を取るのは、政府の誘導と尖閣諸島問題だけが問題ではなく、根底には戦後中国内の徹底した反日教育が大きく影響していることは間違いないと考えている。反日教育を受けた中国の人とはあまり仕事や私的なつきあいはないが、それより古い教育を受けた中国人は、むしろ親日的で優しかった。ひと昔前の中国人と現代中国人の対日観にこれほどギャップがあるのは悲しいことである。どうしたら、両国の溝を埋め日中友好精神を再生させ、育んでいくことができるだろうか。頭の痛い問題である。
さて、昨晩から風邪気味で少々具合が悪かったので、午前中にかかりつけの内科の森先生に診てもらった。大して心配することはないようだが、扁桃腺が腫れていると診断され薬を戴いてきた。やはり少しずつ体力が低下しているのだろうか。