2108.2013年2月19日(火) 怖いアジアの原発新設ブーム

 昨日原発再稼動すべきか、或いは原発中止か、政府としての見解を早めに公表することを本ブログで提案した。それはこの問題を提起することによって日本人の多くの意見や考え方を公にして、広い角度から国民的議論を戦わせることが大切だと考えるからである。

 ところが、今国際的には原発事業は成長過程にある。とりわけアジアでは原発建設が急増し、今後20年間に100基の原発が建設されるという。福島第一原発の事故を受けて建設を手控えていた各国でも、今や急ピッチで新設に暇がない。問題は福島事故で実証されたように、最も大切なことは安全対策である。

 例えば中国のケースを注視する必要がある。中国はエネルギー消費量がアメリカを抜いて世界一となった。しかも発電量のうち、7割以上が石炭による発電が占めている。最近北京周辺を中心に社会問題化しているスモッグや大気汚染も、石炭発電によるガス排出が大きく影響している。その中国が、原発開発に力を入れ出したのだ。われわれが最も頭に入れておかなければならないことは、中国が位置する西方より偏西風に乗って黄砂やPM2.5などが日本に運ばれてくることである。現実にすでに中国からPM2.5が九州を中心に日本にも運ばれてきている。

 怖いのは、中国の原発が今後20年間に56基も新設されることより、中国の原発技術と知識が充に分でないという点である。仮に中国国内で原発事故が起きた場合、間違いなく放射能は日本に流れてくるであろう。

 専門の技術者が不足し、短い訓練期間で原発操作を行う危険なオペレーションについては、月刊誌「選択」の昨年9月号に取り上げられた記事「中国原発『大濫造』の恐怖」を読み直して改めて驚いているが、昨年一部崩落した高架橋の手抜き工事や、中国の部品を使用しなければならない政府の圧力、即製濫造の専門家育成など、本当に大丈夫かと心配になってくる。

 妙な話だが、日本国内でいくら安全性の面から原発反対を唱えたところで、お隣から放射能が侵入してくるようでは手の打ちようがない。頭が痛い問題だ。

2013年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com